東京から鎌倉へ!名物の「豆大福」は移転して10年もかわらぬ人気、遠方から訪れるファンも多い定番の味
皆さんは旅行に行かれる際、事前にグルメ情報などをSNSや雑誌等でリサーチしておくタイプでしょうか?
その際に、ローカルグルメやB級グルメのほか、スイーツにお土産など「●●(地名)の■■(食べ物)5選!」といった人気店をあらかじめピックアップしている記事が検索結果の上位に並ぶこともあるかと思います。
さて、観光地の中でも京都や金沢と比べたら若干印象が弱いかもしれませんが、鎌倉の和菓子でも勿論人気のランキングがあります。辛辣ではありますが、いわゆるインバウンド観光客向けというものもありますが、鎌倉と和菓子を検索なさる方が求めていらっしゃるのはちょっと違うのではないかな…と、私は推量。
10月になっても夏日というにわかに信じがたい日もありますが、それでもハイキングや街歩きが心地よくなってきた今日この頃。160年以上の時を紡ぐ「初祖 岡埜榮泉總本舗」さんの「豆大福」をご紹介。
ストン、と安定感のある豆大福は、こし餡とつぶし餡二種類のご用意。いずれもえんどう豆の量は控えめですが、ひとつひとつ形が整った粒というのが印象的です。
ふっくらとしたお餅をたっぷり頬張ることができる幸せたるや…むちん、と歯切れが良く、それでいて幾分軽やかであっさりとしたお餅ですので、口の中でもたつかず、次のひとくちも大きな口でかぶりつきたいと思うほど。お餅の旨味、えんどう豆の塩気や力強さを実感することができます。
また、つぶし餡はしゃきっとした皮もたっぷり!まろやかな甘味と小豆のごくごくわずかな渋みがあんこそのものに味わいや風味の幅をもたせ、食べ飽きない上品さ。
こし餡はしっかり水分を飛ばしたタイプですが、適度なしっとり感を孕みつつ、さらさらと口の中でほどけていく馴染みの良さにファンも多そうですね。
実は初祖 岡埜榮泉總本舗さんの創業は鎌倉ではありません。既に閉店なさっていますが、浅草にて創業なさった岡埜栄泉さんはそこからいくつか所縁の深い方々に暖簾分けされ、その中のひとつが上野広小路にて幕を開け、諸般の事情により一時閉店。そして鎌倉の地で10年ほど前に復活を遂げたこちらのお店なのです。
場所は違えど、その心意気を紡いでいきたいという熱い思いがたっぷり詰まった豆大福。鎌倉の観光名所は上り坂が続く山の上にも沢山ありますから、山道のお供にひとついかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<初祖 岡埜榮泉總本舗>
神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-5-15
0467-33-4429
10時~17時
定休日 水曜