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ドジャースとヤンキースのどちらが優勝しても、ワールドシリーズ優勝リングを手にする選手がいる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
T.グリシャム(奥)、A.バーデューゴ(左)、T.トラメル Apr27,2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 テイラー・トラメル(ニューヨーク・ヤンキース)は、ワールドシリーズに出場しないだろう。これまでのシリーズと同じく、ロースターには入りそうにない。ただ、ヤンキースとロサンゼルス・ドジャースのどちらがワールドチャンピオンとなっても、ワールドシリーズ優勝リングを手にするはずだ。

 トラメルは、4月2日と18日に、いずれもウェーバーを経由し、シアトル・マリナーズ→ドジャース、ドジャース→ヤンキースと移籍した。今シーズンのメジャーリーグ出場は、ドジャースとヤンキースで5試合ずつ。計8打席に立ち、1安打と1四球を記録した。規定があるわけではないが、そのシーズンにそのチームでプレーした選手は、基本的に、優勝リングを受け取る。チームが優勝する前に退団していても、同様だ。

 今シーズン、ドジャースとヤンキースの両チームでプレーした――メジャーリーグの試合に出場した――選手は、見落としがなければ、トラメルしかいない。

 もっとも、今年の場合は巡り合わせによるものだが、トラメルは、これから台頭し、自身の活躍で2つ目の優勝リングを手にする可能性もある。

 年齢は、先月中旬に27歳の誕生日を迎えたところ。ドラフト順位は、2016年の全体35位だ。シンシナティ・レッズに指名された。2019年の開幕前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカ、ベースボール・プロスペクタス、MLBパイプラインのいずれでも、全体35位以内に挙げられていた。

 メジャーリーグでは、2021~24年の計126試合で打率.167と出塁率.270、15本塁打と4盗塁、OPS.633ながら、今シーズン、ヤンキース傘下のAAAでは、106試合で打率.256と出塁率.381、18本塁打と20盗塁、OPS.869を記録した。昨シーズンは、マリナーズ傘下のAAAで85試合に出場し、打率.268と出塁率.390、21本塁打と17盗塁、OPS.920だ。

 選球眼に優れていて、スピードもある。レギュラーの外野手とまではいかなくても、うまくいけば、右打者と併用の準レギュラー、あるいは第4の外野手になり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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