民主主義を知らない安倍総理とテレビ・キャスター
フーテン老人世直し録(63)
弥生朔日
昨日テレビを見ていたら、フーテンが以前「世界で最も頭の悪い報道番組司会者」と指摘した「眉間にしわ寄せキャスター」がとんでもない発言をしていた。安倍総理と同様にこの人物も民主主義をまるで分っていない。
話のテーマは集団的自衛権である。安倍総理と民主党の岡田克也衆議院議員の国会論戦が放送され、そこで安倍総理は集団的自衛権の解釈変更は先に閣議決定をし、政府の方針が正式に決まってから国会審議に応ずると主張した。
これに対し岡田議員は、通常の法案はそういう手順になるが、集団的自衛権の解釈変更は憲法に関わるので国民の理解を得る事が必要だとし、まず国会で議論して国民に知らしめ、それから内閣が方針を決めるべきだと反論した。
この論戦を巡ってゲストの古賀茂明氏は「どちらもおかしい」と言った。「内閣が決める」のでも「国会が決める」のでもなく、日本のこれまでの生き方を転換するのだから「国民が決める」べきだと発言した。
「国民が決める」とは、集団的自衛権の行使を「憲法解釈」ではなく「憲法改正」で決めるべきという意見である。古賀氏は「これまで日本は外国から攻撃を受けない限り相手を殺さないと憲法で定めてきた。しかし集団的自衛権の行使を容認すれば、日本が攻撃されなくとも、外国の人間を殺す可能性が出てくる。それによって報復も予想される。そうなれば民間人は必ず戦争に巻き込まれる」と述べた。
フーテンも「憲法解釈の変更」などという抜け駆けのような姑息な手段で「国のかたち」を変える事に反対し、集団的自衛権の行使は「憲法改正」によるべきだと主張してきた。またフーテンは憲法改正論者だが「憲法改正」を容易にする96条の改正にも反対してきた。憲法改正は堂々と議論し時間をかけてやるべきだと考えている。
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