ホテルニューオータニの1万坪庭園にある鉄板焼店で新ガーリックライスが登場 他とは違うおいしさの秘密
世界で人気の鉄板焼
鉄板焼は日本が世界に誇る、日本料理のひとつ。寿司と並んで訪日外国人が体験したいと思う料理です。
鉄板焼の魅力は目の前の鉄板カウンターで展開される華麗な調理。非常にダイナミックで臨場感たっぷりなので、エンターテインメント性も十分です。
そして、鉄板焼の主役は何といっても黒毛和牛を中心とする和牛。2023年の和牛輸出は578億円と過去最高になっていることからもわかるように、和牛の人気は非常に高いです。
鉄板焼はメインディッシュである和牛に注目が集まりますが、鉄板焼コースの“お食事”として非常に定番となっているのが、ガーリックライス。どの鉄板焼店もガーリックライスに一家言をもっていますが、他では食べられないガーリックライスをつくっているのが、ホテルニューオータニの「石心亭」です。
石心亭とは
「石心亭」はホテルニューオータニが誇る約1万坪もの日本庭園の緑につつまれた、本格鉄板焼レストラン。広大な日本庭園内に、静かな佇まいをみせる都会の隠れ家として、知る人ぞ知る存在となっています。
デザートは、隣にある「招月亭」に転卓して、ゆっくりと味わえるのも魅力です。また、鉄板カウンターではなく、テーブル席を希望する場合には「清泉亭」、団体での利用は「もみじ亭」が用意されており、様々なニーズにも応えています。
オリジナルのガーリックライス
今回紹介したいのはディナーコースの「清泉」(23,500円)です。
・季節に合わせた前菜
・魚料理(一品選択)
帆立貝と有頭海老のバター焼き
活鮑 +9,000円
活伊勢海老 +9,000円
・本日の厳選お野菜
・肉料理(一品選択)
黒毛和牛フィレ 130g もしくは 黒毛和牛サーロイン 180g
川岸牧場神戸ビーフロース 150g +24,000円
・ご飯(一品選択)
ガーリックライス・香の物・味噌椀
牛すじ入りモダン焼き 石心亭風
鯛茶漬け・香の物 +1,100円
特製和牛カレー サフラン香るガーリックライス +1,650円
・季節のフルーツと八丈島ジャージーミルクジェラートの クープ仕立て 吉野葛掛け
前菜、選べる魚料理、野菜料理、選べる肉料理、デザートといった鉄板焼のフルコース。魚料理と肉料理、ご飯は好きなものを選べるのが嬉しいところです。お食事となる“ご飯”では、他にはないガーリックライスに加えて、鯛茶漬け、モダン焼き、カレーとバラエティ豊かになっています。
季節に合わせた前菜
その時々によって変わる前菜です。初夏なので和牛のシチューを爽やかなココナッツ風味に仕上げていました。ほのかにココナッツが香り、隠し味程度のアジアン風味。鉄板で焼いた香ばしいカリカリのトーストも添えられているので、シチューに付けて食すとおいしいです。
帆立貝と有頭海老のバター焼き
北海道の帆立貝は、レア気味にして、甘味と口溶け感がたっぷりに。九州の有頭海老は、頭は海老煎餅にしてカリカリにし、身はみずみずしさが感じられながらも、弾力があってぷりぷりに仕上げています。コンディメントは鰹節が香る土佐酢、トビコ入りのコクのある自家製タルタル。箸休めに梅干しが添えられているのが特徴的です。
本日の厳選お野菜
野菜は揚げてから1日置いて、貝の和風出汁に漬けた揚げ浸し。暑くなってきたので焼くのではなく、冷製のグラス仕立てにしています。アスパラガス、サツマイモ、蕪、舞茸、ズッキーニなど野菜たっぷりです。冷たいお酢のジュレを合わせて、全体をキリッと引き締めています。
黒毛和牛フィレ 130g もしくは 黒毛和牛サーロイン 180g
日によって最もおいしい黒毛和牛が提供されます。当日は、やわらかで繊細な群馬県産黒毛和牛のフィレとジューシーで噛み応えある鳥取和牛のサーロインでした。2人以上で利用すれば、シェアしてフィレとサーロインのどちらとも楽しむことができます。
コンディメントはヒマラヤ岩塩、玉ねぎを煮た甘いソース、生姜醤油、熟成感のある和歌山県の湯浅醤油。黒毛和牛はそのままでもおいしく、好みでコンディメントを付けて味変も楽しめます。
ガーリックチップはその場でつくられるので、香りが非常に豊か。サクサクっとした食感がよいアクセントです。
ガーリックライス・香の物・味噌椀
ガーリックライスは、見た目は一般的なガーリックライスと同じですが、かなりのこだわりが詰まっています。
炒飯ほどではありませんが、米はちょうどいい具合にパラッとした仕上がりに。白米を炊くところから工夫されており、通常とは異なるいくつかの要素が加えられていたり、水の分量も考慮されていたりしますが、こちらは企業秘密です。
香ばしいニンニクだけではなく、バター、タマネギ、ピーマン、ニンジンが合わせられているのもポイント。バターの馥郁たる香りが広がり、タマネギの甘味とピーマンのほのかな苦味によって、複雑さが生まれます。
ガーリック醤油とウスター醤油で調味されていて、奥行きのある佳味に。
パラパラとして旨味のある米は、豊かな野菜の香味、調味料のコクや酸味と相性抜群です。米の炊き方、野菜の豊富さ、調味料のこだわりによって、他にはないオリジナリティを発揮しています。
季節のフルーツと八丈島ジャージーミルクジェラートの クープ仕立て 吉野葛掛け
隣にある「招月亭」に転卓して、のんびりとデザートを味わえます。
カクテルグラスで、やさしい甘味の八丈島ジャージーミルクジェラートを提供。甘味と酸味のバランスが抜群の大粒なイチゴも添えられています。吉野葛のとろみが、ジェラートとイチゴをまとめ上げていました。
プレミアムワインがグラスで
豪華な鉄板焼コースでしたが、ワインもそれに負けないくらいの豪華なラインアップとなっています。グラスでプレミアムワインが飲めるのが非常に嬉しいところです。
「ボワゼル ブリュット レゼルヴ」(3,300円)は熟成感がありながらも、果実味のエレガントさが感じられるシャンパーニュ。リッチな余韻が続くので味わい深く、最初から最後まで合わせてもおいしく飲める一本です。
白ワインでおすすめしたいのが「フェイラ シャルドネ エステート 2019」(4,300円)。透明感と熟した果実味があり、キリッとした味わいもあります。野菜と魚介類にぴったりな食味です。
「パルメイヤー ジェイソン レッドワイン ナパヴァレー 2020」(5,100円)はボルドースタイルのフルボディな赤ワイン。濃厚な色合いで、熟した味わいとしっかりとしたタンニンが、黒毛和牛に負けず、その旨味を引き出します。
バラエティ豊かなガーリックライス
鉄板焼において、ガーリックライスは、メインディッシュである黒毛和牛のフィレやサーロインと異なり、かなり自由度が広がるメニューです。
ニンニクや黒毛和牛の脂身などの端肉を加えるのは普通ですが、卵を加えるかどうか、おこげをつくって添えるかどうか、カリカリ梅や大葉を加えるかどうかなど、大まかには同じながら、多数の“マイナーバージョン”が存在しています。
鮨のシャリや握り方と同じように、鉄板焼のガーリックライスは師弟関係などで系統が分かれており、個性を表現できるところです。
ガーリックライス考案の背景
「石心亭」のガーリックライスはどのようにして考案されたのでしょうか。
ホテルニューオータニは今年2024年で60周年という節目なので、原点回帰しようということになりました。評判のよかった20年前のガーリックライスをモダンにリノベーションしようということになり、2024年4月から伝統を受け継ぎながらも進化させた、新しいガーリックライスが提供されることになったのです。
今後はゲストの反応をみながら、復刻・進化させたガーリックライスをどのようにしていくか、考えていくといいます。
鉄板焼のご飯もの
農林水産省によると、銘柄となっている和牛は全国で320種類以上。これだけあれば、黒毛和牛を含めた和牛(他には褐毛和牛、日本短角牛、無角和牛)に詳しい方であっても、知らないブランドはあるでしょう。
・銘柄牛(めいがらぎゅう)についておしえてください。/農林水産省
鉄板焼や日本料理に共通するのが、最後を〆る“お食事”です。日本料理では炊き込みご飯が、鉄板焼ではガーリックライスが該当します。ガーリックライスは、前述したように、バラエティ豊かなアレンジが散見されるところです。
どの鉄板焼店もかなり工夫を施していますが、「石心亭」ほどこだわりをもったガーリックライスには、なかなか出合えません。日本が世界に誇る黒毛和牛はもちろんのこと、鉄板焼の定番であるガーリックライスにも注目してみてください。