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ドジャースに加入したビジオは二塁のレギュラーとなるチャンスあり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
キャバン・ビジオ Jun 3, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月12日、ロサンゼルス・ドジャースとトロント・ブルージェイズは、トレードを成立させた。ドジャースは、キャバン・ビジオ(と金銭)を獲得し、マイナーリーガーの投手、ブレイドン・フィッシャーを放出した。

 数日前、ビジオは、ブルージェイズの40人ロースターから外された。それについては、こちらで書いた。

「殿堂選手の息子がブルージェイズにDFAとされる。ゲレーロJr.ではなく…」

 ドジャースは、40人ロースターに空きがあった。ビジオを26人のアクティブ・ロースターに入れるため、ミゲル・バーガスをAAA降格とした。

 ビジオは、遊撃以外の内野3ポジションとライトを守る。遊撃、センター、レフトの経験もあるが、ごくわずかだ。遊撃は、昨シーズンの1イニングのみ。マイナーリーグでも、2018年にAAで2イニングに過ぎない。

 ドジャースは、三塁手のマックス・マンシーを欠いている。マンシーは、右脇腹を痛め、先月中旬に離脱。復帰の見通しも立っていない。ロサンゼルス・タイムズのマイク・ディジオバンナによると、先月下旬にバットを振った際、脇腹に痛みが走り、リハビリを中断したという。

 また、二塁手のギャビン・ラックスは、打率.223と出塁率.277。ホームランは、1本しか打っていない。

 今シーズン、三塁と二塁の両方、あるいは一方で先発出場は、マンシーとラックスに、遊撃をメインとしているムーキー・ベッツを除くと、3人いる。それぞれの打率と出塁率は、ミゲル・ロハスが.269と.321、キーケー・ヘルナンデスが.207と.277、クリス・テイラーは.100と.196。ホームランは、2本、4本、0本だ。

 ビジオは、ブルージェイズで打率.200と出塁率.323、2本塁打を記録している。こちらの出塁率も高くはないが、ラックスを含む4人と違い、四球率は10%を超えている。ビジオが10.7%、キーケーが9.0%、テイラーが8.7%、ロハスが7.1%、ラックスは6.9%だ。

 もともと、ビジオは選球眼に優れていて、それまでの5シーズンの四球率は、いずれも今シーズンより高かった。最初の2シーズン(2019~20年)は、四球率15%以上と出塁率.360以上。昨シーズンは、四球率11.8%と出塁率.340だ。

 ここから、昨シーズンと同水準の出塁率を記録することができれば、マンシーが不在の三塁に定着する可能性もある。6月12日の試合に、ビジオは「9番・三塁」として出場する。

 あるいは、ラックスから二塁のポジションを奪ってもおかしくない。

 キーケー、テイラー、ロハスは右打者、ラックスとビジオは左打者だ。ラックスは、マイナーリーグ・オプションが残っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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