大谷とジャッジが打った「3ボール0ストライクからのホームラン」はどれくらい珍しいのか
今週、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、2人とも、カウント3-0――3ボール0ストライク――からの4球目を打ち、ホームランとしている。大谷は8月12日のシーズン36本目、ジャッジは8月14日のシーズン43本目がそう。それぞれの場面は、2対0の5回表、無死一塁と、6対2の8回表、1死一、二塁だ。
ジャッジのこのホームランについては、こちらで書いた。
◆「ソトを申告敬遠で歩かせ、ジャッジと勝負する。その結果は…」
現時点のシーズン本塁打は、37本と43本。ともに、リーグ本塁打ランキングのトップに立っている。
2020年8月17日に、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)がカウント3-0からの4球目を打ってグランドスラムとした時は、それに対する意見が分かれた。「暗黙のルール」を破ったのか、それとも「暗黙のルール」が時代遅れなのか、ということだ。だが、タティースJr.のグランドスラム――この試合2本目のホームラン――は、大量リードの試合終盤、10対3の8回表だ。大谷とジャッジのホームランは、そうではない。
カウント3-0からの4球目をホームランは、大谷が初、ジャッジは通算3本目だ。その前の2本は、2018年4月21日と、2021年5月27日のダブルヘッダー2試合目に記録している。大谷は、208本塁打中1本。ジャッジは、300本塁打中3本だ。ちなみに、タティースJr.がカウント3-0から4球目を打ったホームランは他にないので、120本塁打中1本となる。
申告敬遠を除き、カウント3-0となり、4球目が最後となった打席の結果は、大谷が72打席で7打数5安打(2二塁打、1本塁打)と65四球、ジャッジが110打席で24打数8安打(1二塁打、3本塁打)と86四球、タティースJr.は46打席で9打数2安打(1本塁打)と37四球だ。
一方、今シーズン、カウント3-0からの4球目をホームランは、大谷とジャッジを含め、22人が計27本を記録している(8月14日時点)。タイラー・スティーブンソン(シンシナティ・レッズ)が3本、タイラー・オニール(ボストン・レッドソックス)、ジョシュ・ネイラー(クリーブランド・ガーディアンズ)、ホアン・ソト(ヤンキース)が2本ずつ、あとの18人は各1本だ。
また、ここ10シーズン(2015~24年)における、カウント3-0からの4球目をホームランは、ブランドン・クロフォード(現セントルイス・カーディナルス)とエウヘニオ・スアレス(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の6本が最も多い。彼らに次ぐ5本は、マイケル・フランコ(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)、コディ・ベリンジャー(現シカゴ・カブス)、ホゼ・ラミレス(ガーディアンズ)、マニー・マチャド(現パドレス)、アンソニー・サンタンダー(ボルティモア・オリオールズ)の5人だ。
フランコは、ここ2シーズンに東北楽天で18本塁打を記録しているが、そのなかに、カウント3-0から4球目を打ったホームランはない。サンタンダーは、ここ3シーズンとも、カウント3-0からの4球目をホームランとしている。このストリークは、継続中では最も長い。通算5本の内訳は、2018年が1本、2022年以降は1本→2本→1本だ。