20代の若者が敬遠する「ホワイトすぎる職場」3つの共通点とは?
■20代の4割近くが職場を「ゆるい」
「ブラックが駄目だからホワイトにしたのに、今度はホワイトすぎるのは駄目だなんて! どうすればいいんだ」
そんな社長の声が聞こえてきそうだ。
快適で働きやすい環境の整備が進む現代において、予期せぬ問題が浮上している。それは「職場がホワイトすぎる」という、若者たちからの批判である。
とくに20代の社会人の間で、成長を妨げる「ゆるい」職場環境への不満が高まっている。株式会社学情が行ったアンケート調査では、若者が職場を敬遠する3つの共通点が明らかになった。
その3つの共通点とは何か?
今回は「働きやすさ」を追求したのに、若者の定着率が悪い職場について解説する。
部下育成に困っている方、経営者の方は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
■「ゆるい職場」3つの共通点
株式会社学情が行った調査では、20代の4割近くが職場を「ゆるい」と感じているようだ。具体的には、14.8%が「ゆるい」と明言し、24.6%が「どちらかと言えばゆるい」と回答している。
この調査結果を考えると、一見すると居心地の良さそうな職場も、実は若者たちにとっては成長の場を提供していない可能性がある。
調査結果からわかる3つの共通点は以下の通り。
(1)上司からの指導がない
53.8%の若者が上司からの指導不足を問題視しているようだ。厳しく指導できない上司が増えている、ということか。
(2)雑用が多い
34.2%が職場での雑用の多さに不満を持っているようだ。責任ある仕事に就けない環境が広がっている、ということか。
(3)責任ある仕事を任されない
32.5%が責任ある仕事を任される機会が足りないと感じているようだ。自己成長の機会が限られていると感じている、ということか。
■「ブラック」も「ホワイトすぎる」も駄目ならどうする?
よくある職場の声も紹介しておこう。
「同じ業務を繰り返す毎日に意味を見出せない」
「成果を出しても評価されないことにモチベーションを失う」
「積極的なフィードバックがないため、自己成長の実感が持てない」
これらの声は、若者たちのキャリア形成にとって不可欠な「挑戦」と「達成感」を職場が与えられていないことを表している。
職場がホワイトすぎると、若者たちにとって必ずしもポジティブだとは言えない、ということだ。
上司からしたら、困惑するだろう。
「ブラックが駄目だからホワイトにしたら、ホワイトすぎるのも駄目だなんて!」
と歯噛みしたくなる。
ポイントは、原理原則を守ることだ。組織は集団ではない。組織目標を達成させるために存在している。
そして目標を達成させるためのツールがマネジメントだ(目標達成が目的でないなら、マネジメントサイクルを回す意味がない)。
目標を達成させるため、リソースを効果効率的に配分することがマネジメントの基本。
(目標達成するため)いつ、誰が、何を、どこで、どれぐらい、どのようにするのか。4W2Hで考えよう。
・When(いつ)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Where(どこで)
・How many(どれぐらい)
・How(どのように)
このリソース配分を個人でも組織でもやり続けることだ。ベテランも若者も関係がない。適正な目標を設定し、正しくマネジメントサイクルを回せば、若者たちは自然と責任のある仕事を任されるし、成長の実感を得られるはずだ。
マネジメントサイクルを回しても、とても達成できないような目標を言い渡すのが「ブラックな職場」。達成できる目標なのに「無理しなくていいから」と声をかけるのが「ホワイトすぎる職場」。
もう一度原点に立ち返ろう。
<参考記事>
■職場が「ゆるい」と感じることがあると回答した20代が4割に迫る。「ルーティーン業務ばかり」「上司からの指導がない」の声