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大谷が200本塁打に到達した試合のヒーローは、大谷の前チームメイト。サヨナラ本塁打でドジャースに勝つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジオ・アーシェラ(デトロイト・タイガース)Jun 13, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月13日、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、5回表にシーズン29本目のホームランを打ち、メジャーリーグ通算200本塁打に到達した。

 投手として投げ、他の選手がDHを務めた15試合を除くと、この日は、出場794試合目。800試合未満で200本塁打は、歴代トップ10には入らないものの、そのすぐ下に位置する。それについては、今月初旬にこちらで書いた。

「大谷翔平は通算200本塁打まであと2本。800試合未満で到達なら歴代何番目のスピード記録になるのか」

 だが、ドジャースは、大谷のマイルストーンを、勝利で飾ることができなかった。9対4とリードして9回裏を迎えたものの、同点に追いつかれ、10回裏にサヨナラ負けを喫した。

 試合を決めたのは、昨シーズン、ロサンゼルス・エンジェルスで大谷とともにプレーした、ジオ・アーシェラ(デトロイト・タイガース)だ。10回表から一塁の守備につき、その裏に、1死三塁の場面でホームランを打った。

 アーシェラの通算出場は732試合目、ホームランは68本目。サヨナラ本塁打は、ミネソタ・ツインズ時代の2022年8月1日に続く2本目だ。大谷の200本塁打のなかに、サヨナラ本塁打はない。ちなみに、この試合の10回表は、アウェーなのでサヨナラ本塁打の可能性はなかったが、1死二塁の場面で勝負してもらえず、敬遠四球で歩かされた。そこから、テオスカー・ヘルナンデスがぶつけられ、1死満塁となった後、フレディ・フリーマンが6-4-3の併殺打に仕留められた。

 今オフ、アーシェラは、FAになる。昨シーズンは、62試合で打率.299と出塁率.329、2本塁打、OPS.703。今シーズンは、68試合で打率.255と出塁率.294、4本塁打、OPS.640だ。これらのスタッツからすると、夏のトレード市場において、タイガースが売り手に回っても、人気を博しそうにない。タイガースは、現時点で借金4を抱えている。

 ただ、アーシェラは、内野の4ポジションを守ることができる。今シーズンの年俸は、150万ドルと安い。年齢は32歳だ。また、ニューヨーク・ヤンキース時代の2019年には、21本のホームランを打ち、打率.314と出塁率.355、OPS.889を記録している。どこかの球団が、バックアップのユーティリティとして、アーシェラを獲得してもおかしくない。ドジャースが動くことはなさそうだが、例えば、ヤンキースなら、フィットしそうな気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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