まさにこの栗餡のための皮!栗と共に歩んできた老舗「桜井甘精堂」さんの栗餡際立つどら焼きはもっちり食感
長野県の秋の味覚、といいますと皆さんは何を思い浮かべますか?内陸ならではの大地の魅力で溢れている長野県には、りんごや信州みそ、蕎麦、おやきといったこれからの季節により一層恋しくなるようなグルメでいっぱい!
そして忘れてはならないのが、小布施町の栗。600年程前からその歴史は始まるという説もあるほど!また、谷街道というバイパス沿いには和洋問わず栗のお菓子を販売、もしくはカフェなどで提供なさっているお店もずらりと並び、栗好きにはたまらない街としても非常に人気の高いエリアです。
なんと、1808年から小布施の栗とお菓子の歴史がはじまったという老舗「桜井甘春堂」さん。代表銘菓である純栗ようかんや、更に贅を極めた純栗かの子ようかんも魅力的ですが、個人的にぜひご紹介したい御菓子があるのです。
今回は桜井甘精堂さんの「栗どらやき」をご紹介。
出会った当初手に取ったきっかけは、勿論お砂糖と栗だけで練り上げた栗餡というのも非常に大きいのですが、一般的などら焼きの皮に用いられる蜂蜜を使用しておらず、表記には本みりんやこんにゃく粉、そしてごま油と表記されていたことがきっかけ。
小ぶりなどら焼きは非常にしっとりとした焼き肌で、すっきりとした香ばしさ。更に、もちもちとした質感も印象的。口元に近づけると、そっと鼻腔をくすぐるごま油の薫香。そして中には、たっぷりの栗餡が!桜井甘精堂さんの栗餡は着色料を使用していないため、ややくすんだ渋いお色味の栗餡。しかしそれこそが自然な栗のあるべき姿、むしろその素朴さも親しみやすいどら焼きと合っているのかもしれませんね。
芳醇であり栗の持つ気品といいますか高級感も醸しつつ、どこか気取らないまろやかな甘味と旨味のしっとりとした栗餡はいくらでも食べられそう。栗餡には刻んだ栗も隠れており、時折ほろりと顔を出す食感にも笑みが。
もっちり且つ香ばしさにフォーカスをあてたような皮は、まさに桜井甘精堂さんの栗餡のために生み出されたものと言い切ることができます。ごま油がそっと下から全体を支えるような良い役割を担っているんですよ…ごくごく少量でありながら、名脇役。
羊羹にモンブラン、マロングラッセや渋皮煮などのリッチな栗も魅力的ですが、手軽ながらも栗を知り尽くしたお店の和菓子はひとあじ違うなと思う秋の夜長。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<桜井甘精堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
長野県上高井郡小布施町小布施774
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