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メッツは昨年25本塁打の外野手をトレードで獲得。FAのソトを逃した場合の「保険」ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・シーリー Sep 17, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・メッツは、新たな外野手を手に入れた。11月19日、リリーバーのエリック・オーゼーと交換に、タンパベイ・レイズからホゼ・シーリーを獲得したことを発表した。

 メッツは、大物FAの外野手、ホアン・ソトを欲している球団の一つだ(「メッツはFAのソトに6億6000万ドルの契約を提示?」)。

 シーリーも、パワーはある。2024年は130試合で18本塁打ながら、2023年は101試合で25本のホームランを打った。

 2023年の13.52打数/本――ホームラン1本当たりの打数――は、このシーズンに25本塁打以上の53人中、10位に位置した。すぐ上とすぐ下の2人、9位(13.39打数/本)のマックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)と11位(14.00打数/本)のホルヘ・ソレーア(当時マイアミ・マーリンズ/現ロサンゼルス・エンジェルス)は、ともに36本塁打を記録した。

 けれども、メッツは、ソトを逃した場合の「保険」として、シーリーを入手したわけではない。ソトが守るのは、外野のコーナー、ライトかレフトだ。シーリーは、センターを定位置としている。

 2024年のメッツでは、3人がセンターとしてスターティング・ラインナップに名を連ねた。ハリソン・ベイダーが108試合、タイロン・テイラーが32試合、ブランドン・ニモは22試合だ。彼らのうち、ベイダーは、FAになっている。

 シーリーは、ベイダーに代わる外野手、ということだ。

 ただ、シーリーがセンターのレギュラーとなるかどうかは、確定していない。テイラーと併用、あるいは、テイラーがメインでシーリーはサブ、ということも考えられる。

 2人とも、2024年は、130試合に出場した。テイラーは、345打席で打率.248と出塁率.299、7本塁打と11盗塁、OPS.701。シーリーは、448打席で打率.187と出塁率.255、18本塁打と14盗塁、OPS.620を記録した。どちらも、右打者。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、31歳と29歳だ。

 現時点のメンバーからすると、外野トリオは、レフトがニモ、センターがテイラーかシーリー、ライトはスターリング・マーテイだろう。そこに、ソトが加わると、マーテイの出場機会が減ることになりそうだ。テイラーとシーリーのうち、スターティング・ラインナップから外れたほうは、試合終盤、ソトに代わる守備固めになり得る。マーテイも、かつては好守だったが、来シーズンの年齢は36歳。ゴールドグラブを受賞したのは、2015~16年だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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