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中学・高校時代、なんの部活動だったかで将来結婚できるかどうか決まるかもしれない問題

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
(写真:アフロ)

部活動と結婚との関係

中学・高校時代にどんな部活動をやっていたかどうかで、将来結婚するかしないかが決定される。そう言われたらどうお思いになるだろうか?

かつて「男子のモテ属性遷移」なるネタツイートが話題となったことがある。

モテる属性とは、小学生は「足の速い子」、中学生は「チョイ不良な子」、高校では「部活のスター」、大学では「コミュ力のある子」、社会人になると「収入の高さ」へと遷移するというものである。

中学生で「チョイ不良な子」がモテるというのは、時代性や地域性によっても違うとは思うが、概ね納得性の高い話ではないだろうか。残念ながら、小学生から大学生を通じて「勉強のできる子・頭の良い子」はあまりモテないというのも共通性がある。

提供:イメージマート

いずれにしても小学校から高校くらいまでは、スポーツなどが得意で、皆の注目を集める男の子がモテる傾向にある。

小学生のうちは、運動会のリレー選手でアンカーをつとめるような「足の速い子」、中学や高校に入って部活動が始まると、今度は「足の速さ」よりも、サッカー、野球、バスケットボールなどの人気球技種目が俄然注目を集める。

もちろん、それらの部活に所属していれば自動的に全員モテるわけではないが、この青少年時代にどんな部活動体験をしていたかどうかで、結婚するかしないかが分かれるという面白いデータを紹介したい。

「帰宅部」は結婚できない?

まず、男性を見ると、明らかに、既婚男性の「運動部」所属率が全年代通じて高い。特に、20~30代既婚男性は運動部所属率90%近くと突出している。文化部割合は未婚も既婚も変わらないが、未婚男性は既婚男性より「帰宅部(何の部活動もしていない)」比率が高くなっている。この傾向は、女性でも同様である。

男女別に未婚と既婚の差を運動部・文化部・帰宅部別に表したグラフが以下である。

男女ともに、帰宅部の未婚割合が高いし、運動部の既婚率も高いことがわかるが、特に男子の傾向が顕著である。

結婚する男としない男のスポーツ

2015年に上梓した拙著「結婚しない男たち」にも書いたのだが、未婚男性と既婚男性とでは現在実施しているスポーツの種類が明確に違う傾向がある。

既婚男性がよくやっているスポーツは「野球」「ゴルフ」「サッカー・フットサル」「テニス」などであるのに対して、未婚男性は「水泳」「自転車」「ランニング」などである。奇しくも、これはまさにトライアスロンの競技種目になる。

未婚と既婚の違い、おわかりになるだろうか。

既婚は、誰かと一緒じゃないとできないスポーツであるに対して、未婚の方は一人でもできるという特徴がある。さらに、既婚がするスポーツは主に球技が多い。

写真:アフロ

恋愛も結婚も一人ではできない

こうした傾向は仕事に対する考え方にも反映されている。既婚男性は「チームでやる仕事」を好み、未婚男性は「一人でやる仕事」を好む。スポーツにおいても、その傾向が表れていると言えるだろう。

但し、だからといって、決して運動系の部活をしないと結婚できないとか、野球部やサッカー部じゃなければ結婚できないという因果関係があるとまでは言わない。

が、そもそも恋愛や結婚というものが、誰かとボールのやりとりをするようなものだと考えると、青少年期に球技や集団スポーツをやったかどうかが、成人後の結婚の有無(可否)に無意識に影響を与えていないとも限らない。

平成30年度にスポーツ庁が実施した「スポーツの実施状況等に関する世論調査(対象年齢18~70代)」によると、週1回以上スポーツをしたことがある割合は、57.2%の既婚者に対して、未婚者は53.6%とやや低かったようだ。

結婚するしないは別として、かつて帰宅部だった未婚者の方もご自身の健康のために、何かしらのスポーツをされる習慣を身につけていただくことをおすすめしたい。

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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