キンプリファン、「帰宅難民1000人」が一夜明かした「新山口駅」はどんな駅だったのか?
2024年5月22日夜に山口県山口市阿知須の山口きらら博記念公園で行われたアイドルグループ「King&Prince」の花火イベントで、終了後に帰宅しようとしたファンの一部が新山口駅からの最終便の新幹線に間に合わず、約1000人が駅で一夜を過ごしたことが、大きなニュースになってから1週間余りが経過した。
筆者は、このニュースについて2024年5月24日付記事(バス大渋滞「キンプリ」ファンが新幹線終電乗れず帰宅難民 会場徒歩20分の駅から電車乗れば解決できた?)と2024年5月26日付記事(バス大渋滞で「キンプリ」ファン、帰宅難民1000人 会場徒歩20分、最寄駅の電車はどんな状況だった?)で取り上げているが、そもそも帰宅難民が発生した新山口駅とはどのような駅だったのであろうか。
新幹線側の駅舎と南北自由通路で一夜明かす?
新山口駅は、新幹線側の駅舎と南北自由通路上にある在来線駅舎の2つに分かれ得ており、帰宅難民となったキンプリファンは、新幹線駅舎と南北自由通路に分かれて一夜を明かしたようだ。
新山口駅で一夜を明かしたキンプリファンにはJR西日本から飲料水や軽食が提供された。
新山口は鉄道ファンに有名な駅だった
新山口駅は、山口県の県庁所在地である山口市の玄関口となる駅で、新大阪駅と博多駅を結ぶ山陽新幹線のほか、在来線の山陽本線から山口線、宇部線が分岐する県内屈指のターミナル駅だ。新山口駅は、2003年までは小郡駅という駅名で、平成の大合併で2005年に山口市と合併するまでは小郡町という独立した自治体だった。新山口駅の駅舎は2015年にリニューアルされ、南北自由通路の供用も開始された。
新山口駅からは、週末を中心に島根県の津和野駅まで蒸気機関車が5両のレトロな客車をけん引する「SLやまぐち号」の運行が行われており、鉄道ファンの間ではSL列車に乗れる駅として有名な駅だ。SLやまぐち号は、JRグループの前身となる日本国有鉄道(国鉄)が蒸気機関車による定期旅客列車の運行が終了した1975年12月から3年8か月後となる1979年8月から運行を開始した蒸気機関車の動態保存列車だ。
一方で、「キンプリ」のイベント会場となった山口きらら博記念公園最寄りの阿知須駅までは、宇部線がおおむね1時間に1本の間隔で運行されており20分ほどでアクセスできる。阿知須駅から山口きらら博講演までは、「Google Maps」調べだと徒歩20分と出るが、案内によっては徒歩30分とされているものもあるようだ。山口きらら博公園は、2001年に開催された山口きらら博(21世紀未来博覧会)の会場の跡地を活用した公園で、博覧会の翌年となる2002年7月に公園としてリニューアルされたものだ。敷地内には山口県初のドーム型屋内競技場も設置されている。
山口県内で徳山と並ぶの「のぞみ」停車駅
また、新山口駅は山口県内で徳山駅と並ぶ「のぞみ」停車駅でもある。山陽新幹線の「のぞみ」号は、おおむね1時間に2本程度が新山口駅に停車。広島駅までは約30分、新大阪駅までは2時間弱、博多駅まで30分強でアクセス可能だ。
今回のキンプリ騒動で、新山口駅に興味を持たれた方は、改めて山口観光に訪れてみるというのはいかがだろうか。
(了)