【膣と直腸が貫通!直腸膣瘻闘病記①】産後後遺症が2カ月で完治した話
こんにちは。繁和泉です。
私は長男を出産したときに直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう:rectovaginal fistula)という、出産にともなう後遺症を患いました。
現代では、母子共に安全に生まれてくるのが当たり前になりつつあります。
しかし、実際には命の生まれ出る瞬間に必ずしも五体満足で経過するわけではありません。
一昔前なら当たり前に、さまざまなトラブルがあった出産という一大イベント。
私もそのイベントにより「当たり前の毎日」に陰りを落とした一人でもありました。
直腸膣瘻は、20年近く助産師をしている友人に聞いても1例も見たことが無いというほど、非常に珍しい後遺症だそうです。
今回は出産にともなう、非常にレアケースな後遺症「直腸膣瘻」の体験記として、疾患についての解説も踏まえて紹介していきたいと思います。
医療が進んだ現代でもなお、妊娠出産には多大なリスクがあることを知っていただけたら幸いです。
1.直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう)とは?
直腸膣瘻とは、出産にともなう外傷の一つで膣と肛門の間に瘻孔(トンネル)ができてしまう状態です。トンネルの大きさや位置にもよりますが、本来腸の中にあるべき便などが膣側に漏れ出てしまったり、排ガスが膣側から出てきてしまうといった事が起こります。
出産にともなう後遺症として生じる場合、難産や大きな赤ちゃんの出産、鉗子分娩や吸引分娩などの器械を使った分娩で発生するケースがあります。また、過大な会陰裂傷にともない続発的に生じることもあります。
トンネルが生じる場所としては、子宮側に生じる「高位瘻孔」と膣口側に生じる「低位瘻孔」にわけられます。
高位瘻孔:鉗子分娩や子どもの頭蓋骨と母体の骨盤の位置関係などによりおこります。一般に体内の奥深くに生じるため、症状が見逃されやすい傾向にあります。
低位瘻孔:出産時の会陰切開が大きかった場合や、会陰縫合の縫合不全などにともなって生じるケースが多いです。
2.直腸膣瘻のおもな症状・治療法
直腸膣瘻が生じて困る理由として、本来汚物がない膣の中に便漏れやガス漏れが生じることです。
また瘻孔が生じることによって、膣からの異常な分泌物の増加や便臭のようなにおいが常時生じていたり、時として痛みがともなうこともあります。
基本的に瘻孔を閉じるには外科的手術しかありません。
外科的手術の方法も、瘻孔の具合によりさまざまですが、重症例は瘻孔を閉じるために一時的に人工肛門(ストマ)を造設する必要があるケースも存在します。
3.私が直腸膣ろうになった理由の一つは「子どもが予想外に大きかった
私は、長男出産時に直腸膣ろうを患いました。振り返ってみると、子どもの大きさが予想外におおきかったことが要因の一つとして考えられそうです。
私が長男を出産したときは40週と2日。
40週の検診では子どもの大きさの予想が「3200g」と想定されていたのです…。
この時担当したY医師の対応には、疑問がありました。
エコー越しに子どもの大腿骨の大きさなどを計測して、予測体重を算出するのですが、1回目に出た数値が「3600g」…。
これに驚いて私が大きな声をあげると…
Y医師:「いや~、間違った、間違った!3200gだったわ!」
と、小さめになるように計測しなおして、結果40週の計測結果は「3200g」で出したのです。
153cmの私ですが、3200gなら自然分娩可能と誰しもが判断しますよね…。
これが今後の大きな後遺症につながることになろうとは…。
この時は思ってもいませんでした…。
(まとめ)
私はメインの担当医師は決めずに毎回妊婦検診を受けていました。いろいろな先生と関わる中、毎回このY先生だけ診察の雑さが目立っていたのです。
Y医師以外は検診のときに子どもの心臓の動きなどを確認して、エコー写真をプリントアウトしたりしてくれるのですが…
Y医師だけは毎回「心臓見えなかったから太ももの写真ね〜」と言って大腿骨の写真をプリントアウトしてくれるのです…
太ももの写真って…
と思いながらも、検診時間を待つのが嫌で「誰でもいい」としていたのが、間違いの始まりでしたね…。
第2話に続く。