関東は今年最後の真夏日か 記録的残暑から秋雨の季節へ大きな変化で寒暖差に注意
約4か月ぶりの夏の暑さ解消
令和6年(2024年)10月3日は、日本列島上で秋雨前線が活発化し、雨の所が多くなりました。
このため、全国で一番気温が高かったのは、沖縄県・安次嶺の32.3度で、最高気温が35度以上の猛暑日を観測したところはなく、最高気温が30度以上の真夏日を観測したのは22地点(気温を観測している全国914地点の約2パーセント)、25度以上の夏日を観測したのは187地点(約20パーセント)でした(図1)。
真夏日が30地点を下回ったのは、6月10日の21地点以来、夏日が300地点を下回ったのは、6月4日の243地点以来ですので、約4か月ぶりということになります。
猛暑日は、9月21日に7地点で観測したのを最後に観測していませんし、気象庁と環境省が共同で57地域(都府県ごと、ただし北海道・鹿児島県・沖縄県は細分)に対して発表している熱中症警戒アラートも、4地域を対象に発表した9月21日が最後となっています。
熱中症警戒アラートの発表地域数(のべ)は、熱中症が社会問題となった令和4年(2022年)は889地域でしたが、観測史上最高と言われた令和5年(2023年)は、これを軽く上回りました(図2)。
そして、今年、令和6年(2024年)は、熱中症になりやすい、湿度が高い暑さが多かったことから、令和5年(2023年)よりさらに多い1722地域に発表となりました。
特に、7月中旬から9月中旬でも多かったのが目立ちます。
つまり、早く発表するようになり、遅くまで発表していたということになります。
今年の夏の記録的な暑さは、そろそろ終わりですが、ここへきて、太平洋高気圧が最後の力をふりしぼり、強まってきました。
東京都心では真夏日予想
10月4日は、強まってきた太平洋高気圧によって、秋雨前線と秋雨前線上に発生した低気圧が北に押し上げられ、低気圧や前線に向かって南から暖気が流入する見込みです(タイトル画像)。
低気圧や前線に向かって、台風周辺や高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、沖縄・奄美と西日本、東日本では、大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴って非常に激しい雨の降る所があるでしょう。
落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。
地上では夏日となる目安として、上空約1500メートルで15度という気温が使われますが、この15度以上という気温が近畿から東北地方まで入ってくる予想です。
このため東京都心で30度を超すなど、関東や沖縄県を中心に全国61地点(約7パーセント)で真夏日となる予想となっています(図3)。
関東地方は、今年最後の記録的暑さとなるかもしれません。
太平洋高気圧の強まりで台風18号が南へ
台湾にゆっくりと上陸した台風18号は、台湾の高い山々の影響を受けて衰弱しました。
台湾上陸前から、太平洋高気圧の強まりによって、フィリピンの東海上からバシー海峡を通って台湾に上陸した台風18号は北上を妨げられました。
そして、今度は、台湾に上陸した台風が、南へ押し戻される予報となっています(図4)。
【追記(10月4日10時)】
台風18号は、10月4日9時に熱帯低気圧に変わりました。
日本の南の海は、あちこちに積乱雲の塊が散在しています。
このうち、図4の一番右下にある雲の塊は要注意です。
今後、渦を巻いて熱帯低気圧になる可能性があるからです(図5)。
この熱帯低気圧が台風19号に発達するかどうか、現時点ではわかりませんが、熱帯低気圧の発生が予想されている海域(マリアナ諸島近海)は、過去に日本に大きな被害を生じさせた台風が多く発生している海域です。
日本は、10月までが台風シーズンですので、引き続き、台風情報に注意してください。
大きく季節が変わる
今週末に一時的に太平洋高気圧は強まりますが、その後は、秋雨前線が南下し、くもりや雨の天気の日が続く見込みです。
東京都心の16日先までの天気予報をみると、最高気温が30度以上は10月4日だけで、来週には最高気温が20度という日もありそうです(図6)。
また、お日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が少ないくもり)より、黒雲マーク(雨の可能性があるくもり)や傘マーク(雨)が多い予報です。
東京も、記録的な暑さの夏から、秋雨期へと大きく季節が変わりそうです。大きな寒暖差に注意してください。
タイトル画像、図3、図4、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2の出典:環境省ホームページをもとに筆者作成。
図5の出典:気象庁ホームページ。