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ここ半世紀で5人目の「シーズン本盗3度」。過去の達成者には日本プロ野球で通算91本塁打のスラッガーも

宇根夏樹ベースボール・ライター
エルビス・アンドゥルース(テキサス・レンジャーズ) Jul 2, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月2日、エルビス・アンドゥルース(テキサス・レンジャーズ)が、3盗塁を記録した。5回裏に二盗を試みて刺され、自己最多タイの1試合4盗塁とはならなかったものの、アンドゥルースはその前にすべての塁を盗んだ。1回裏は、一塁走者とのダブル・スティール(重盗)による三盗。3回裏は、二盗(と暴投による三進)に続き、こちらも一塁走者とのダブル・スティールで本盗に成功した。この時、球審はアウトを宣告したが、捕手のミットはアンドゥルースの背中に触れておらず、リプレーの結果、判定が覆った。

 4月14日と6月14日にも、アンドゥルースは本盗を決めている。1シーズンに本盗3度以上は、1995年のジョン・ナナリー(4度)以来24年ぶり。ここ四半世紀(1995~2019年)で2人目ということになる。ここ半世紀(1970~2019年)では5人目だ。ちなみに、その前の四半世紀(1945~69年)は、1947年のデビューから3年連続のジャッキー・ロビンソン(3度、5度、5度)を除いても、10人を数える。

筆者作成
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 アンドゥルースの直前に、1シーズン3度以上の本盗を記録した2人は、日本プロ野球も経験している。ナナリーは2000年にオリックス・ブルーウェーブ、グレン・ブラッグスは1993~96年に横浜ベイスターズでプレーした。ブラッグスは、1994年の35本を含め、NPBで通算91本のホームランを打ったが、盗塁は通算13度に過ぎない。ただ、MLBでは通算70本塁打とともに、58盗塁を記録した。ナナリーはNPBで5本塁打&2盗塁、MLBでは42本塁打&19盗塁だ。

 なお、アンドゥルースの通算本盗は7度。4月に「通算5度の「本盗」は現役最多だが、それでもベーブ・ルースの半数」でも書いたとおり、現役選手では最も多い。2位のジャコビー・エルズベリー(ニューヨーク・ヤンキース)とハビア・バイエズ(シカゴ・カブス)は3度ずつなので、アンドゥルースの半数にも及ばない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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