東京大雪予報 当たる確率50% 過去の例から検証してみた
関東甲信地方に大雪に関する情報が発表されています。内容は今夜から14日朝にかけて東京23区でも8センチの雪が降るというもので、前回、2月10日に東京で観測された2センチを上回る恐れがあります。
前回の時は、事前の予想では5~10センチということでした。2センチの積雪は当たったか外れたかの微妙なラインですが、首都圏への影響を考えると、”当たった”として記憶した方が良いように思います。
雪予報はなぜ難しいか
東京の雪予報は当記事に限らず、どのニュース記事をみても”難しい”というキャッチフレーズがついて回ります。
雨なら単純に、降る時間帯と量を考えればいいので、大きく言うと予想の課題は2つです。ところが雪の場合は、①降る時間帯は?②雪か雨か?③降水量と降雪量は?④雪になったら最深積雪は?⑤さらに翌日の凍結の有無は?⑥電線などへの着雪等間接的被害は?などなど、予想の課題が次々と出てくるのです。
雨なら、温度の1度や2度の違いはどうということはありませんが、雪の場合は1度の違いで、まったく別の景色になります。
そんな事情も有り、雪の予報は「ひょっとしたらハズれるのでは・・」という楽観論となり、事前の準備を怠って、大きな被害に結びついてしまったことも過去にありました。
そこで根拠なき楽観論に警鐘を鳴らす意味で、過去の雪予報と実際の違いを見てみましょう。
雪の予報は検証も難しい
表は、片山由紀子氏が調査されたものから2015年以降について抜粋し2月10日を追記させていただきました。(片山由紀子氏1月8日記事参照)
片山氏によると、2013年から今年1月まで22回の東京雪予報に対し、当たったのは10回、外れたのが12回だったといいます。これを観測場所が大手町から北の丸に移った2015年以降でみると、当たりは7回、外れは8回です。
予報の当否には、降ると言って降らない「空振り」と、降らないと言って降った「見逃し」とがあります。
2015年以降で、ハズレの中身を見ると空振りが6、見逃しが2なので見逃しの方が少ないのは救いでしょう。そして、甘目ではありますが前回2月10日を当たりとすると、16回中8回が当たりで、雪予報当たりの確率は5割です。
5割というのは大きな危険性のこと
確率になじんでいないと、5割というのはそれほど大きな値のように感じない事があります。
ところが、東京の雪のような大きな混乱が予想される時は、確率が50%というのはものすごく大きな危険性があると言えます。
前回は地上の気温分布が複雑に変化し、都内でも場所によって「ほとんどみぞれで影響が無かった」ところと、千葉県(千葉・積雪5センチ)や茨城県(水戸・積雪9センチ)のように「予想通り積もった」ところと様々でした。
今回は、前回に比べると気温の予想幅が大きく、東京都心の夜中の気温は最も低くて0.5度、高いと3度くらいで推移する可能性があります。そういったことなどから、今回もまた場所によって印象が大きく違う結果となるかもしれません。
いずれにしても、最悪の事態を想定しておくことが大事と言えるでしょう。
<13日16時気象庁発表 13日18時~14日18時までの予想降雪量(多いところで)>
甲信地方 25センチ
関東地方北部の山沿い 15センチ
関東地方北部の平野部 8センチ
箱根から多摩地方や秩父地方にかけて 20センチ
関東地方南部の平野部 8センチ
東京23区 8センチ
参考
片山由紀子氏 1月8日掲載記事「東京の雪予報は「10当12外」 大雪リスクの備え方」