【認知症の歩き方・特徴3選】小刻み歩行・止まれない。介護福祉士が漫画でわかりやすく解説
こんにちは。認知症の支援サポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。
子どもの頃から好きだったイラストや漫画を描くことを通して、一人でも多くの人に、認知症や介護のことを知っていただきたいと思い、日々努力を続けています。
2024年の日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は、30%を超えるとといわれています。
いよいよ、3人に1人が高齢者という時代になってきたのですね。
外を歩く、多くの高齢者の姿を見ると、いくつかの特徴的な歩き方に気づきませんか。
そんな高齢者の”ちょっと不自然な動き”の中に、認知症の特徴がひそんでいます。
今日は認知症の人の特徴的な歩き方を、イラストを交えて順にご紹介します。
1. 歩く速度がだんだん遅くなる
高齢者は加齢による筋力の衰えによって、歩く速度が低下することがあります。
しかしそれ以外にも、認知症に特有の理由で歩くスピードが遅くなることもあるのです。
人は歩くときに、いろいろなことを考えていますね。
・目的地に向かって道を選ぶ
・車や、すれ違う人とぶつからないように、注意して歩く
・到着時間を予測して、歩く速度を調整する
などなど、たくさんのことを瞬時に判断しながら歩いています。
認知症になると、これらの判断に時間がかかるようになります。
『考えては歩き、考えては歩き』
ということを繰り返していると、どうしても歩く速度が遅くなってしまいます。
2. 小刻み歩幅、急に早く進む
『レビー小体型認知症』の人には、『パーキンソン症状』による歩行障害が現れることがあります。
具体的な例としては、
・歩幅が2、3センチくらい、極端に狭い
・最初の一歩が出にくい
・急に早歩きになり、自分で止まれない
などの不自然な動きがあります。
このような歩行状態になると、つまずいて転倒しやすくなります。
反射的に手をつくなどの、危険を回避する能力も低下しているため、十分に注意して歩かないと、骨折など大怪我をするおそれがあります。
3. 急に止まる
認知症になると注意力が散漫になり、道沿いの様々な眺めに気が散る人もいます。
注意を引く看板があると、急に立ち止まって、大きな声で看板の文字を読み始めるのは、わたしも介護現場でよく見たケースです。
また認知症が進行すると、複数のことを同時に行うのが難しくなります。
たとえば、歩きながら会話をすることができないので、横の人とおしゃべりを始めると、ピタッと足を止めてしまう人もいます。
このような症状が続けて起こると、目的地に着くのが、どうしても遅くなってしまいますね。
看板に気を取られて、足元の段差につまづくなどの転倒には注意しましょう。
まとめ
今日は、認知症の人の特徴的な歩き方をご紹介しました。
ふだん何気なく行っている『歩く』という行為の中にも、たくさんの脳の働きがあることに気づきますね。
加齢による筋力の衰えに加えて、認知症の症状による特徴的な動きを知っておくことで、転倒などの事故を未然に防ぐことができます。
危険があるからといって、引きこもりにならないようにすることも大事ですね。
万全の対策を行った上で、楽しい外出の機会を増やしていきましょう。