今冬一番の寒気が南下、北海道北部上空5500メートルでは氷点下42度
今冬一番の寒気が南下
令和4年(2022年)は、残暑が厳しく秋らしい季節の到来が遅れていましたが、二十四節気でいう霜降をすぎると、最高気温が25度以上という夏日を観測する地点数が20パーセントを超えなくなり、逆に最低気温が氷点下となる冬日が20パーセントを観測する日が出始めました。
立冬をすぎると、ほとんどの日で冬日が20パーセントくらいとなり、小雪をすぎて12月になると、冬日を観測する地点が40パーセントを超えることが多くなり、最高気温が氷点下という真冬日も観測されるようになりました。
12月になると、西高東低の冬型の気圧配置が続くようになり、日本列島には寒気南下が続いているからです。
ただ、日本付近に南下している寒気は、12月2日~3日頃に比べると弱まっており、冬日の観測地点数は減っています。
12月3日には、気温を観測している全国915地点のうち518地点(全国の約57パーセント)が冬日でしたが、13日は258地点(約28パーセント)に減っています(図1)。
しかし、大陸から、今冬一番の寒気が南下してきましたので、今後は、冬日や真冬日が増えてくると思います。
大雪をもたらす目安とされるのは、上空約5500メートルで氷点下36度以下という寒気で、テレビなどで、気象予報士が上空約5500メートルで気温が云々と説明するのはこのためです。
この上空約5500メートルで氷点下36度以下という寒気は、北海道をすっぽりと覆い、北海道北部では氷点下42度と真冬でもめったにない強い寒気です(図2)。
真冬とは違って地上付近の気温はまだ冷え切っていないことから、真冬の氷点下36度の寒気南下より、今回の氷点下36度の寒気の方が、上下の温度差が大きくなります。
同じ温度の寒気でも、より激しい現象が起きますので、北陸地方や北日本は冬の嵐で大雪に注意・警戒が必要です。
平地でも雪となる目安とされるのが、上空約1500メートルで氷点下6度以下ですが、14日朝には、九州北部から中国地方、近畿北部、北陸と北日本を広く覆ってくる見込みです(図3)。
また、週末には、寒気がさらに南下し、西日本の太平洋側から東海・関東地方の上空約1500メートルも氷点下6度以下となる予想となっています。
つまり、広い範囲で、降水現象があれば雪として降ることを示しています。
北日本以外では早い初雪
北日本の初雪は平年より遅かった所が多かったのですが、12月13日に水戸で平年より6日早い初雪がありました(表)。
今回の寒気南下で、西日本各地などから初雪の便りが届くと思われます。
冬の初めの頃は、比較的気温が高い時の雪ですので、湿って重く、着雪しやすいという特徴があります。冬場に比べ、積雪量の数値以上に影響が大きいので、十分に注意する必要があります。
また、冬の初めは、ノーマルタイヤで出かけ、立ち往生してしまう人が少なからずいますが、その人だけの問題にとどまりません。
立ち往生した車が道をふさぐため、スノータイヤ装着など、雪対策をしている車まで巻き込まれて立ち往生し、走行する車にとっては影響のない降雪まで積もり重なって大事になります。
すこしぐらいの距離だから、私だけならという言い訳をせず、雪の予報が出たら、ノーマルタイヤの車では出かけないでください。
各地の今後の天気
各地の10日間予報をみると、北日本や日本海側の地方では気温が低くて雪の日が多くなっています(図4)。
特に、西日本では気温が低くなり、18日(日)の福岡の最高気温は6度の予想です。最低気温ではありません。
太平洋側の地方は晴れる日が多くなっていますが、晴れても最高気温は10度を超すのがやっとです。
各地とも寒い年末を迎えそうです。
東京の最高気温と最低気温の推移をみると、ともに階段状に秋から冬に向かって低くなっています。
そして、12月14日以降は、最高気温・最低気温ともに平年並みに推移する予報となっています(図5)。
寒い年末といっても、暖かかった秋との差で非常に寒く感じていますが、ほぼ平年並みの寒さの年末ということになります。
タイトル画像、図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1、表の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図5の出典:気象庁資料とウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。