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【衝撃結果】「接待を伴う飲食店」への自粛要請に関する調査

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

コロナウィルスの感染再拡大が始まり、主に大都市圏を中心に再び自粛の動きが始まっております。中でも特にリスクが大きいとされているのが、やはり従前から言われていた「接待を伴う飲食店」の存在。北海道では、札幌の繁華街であるススキノのキャバクラを中心にクラスターが発生したことが先月末に報じられましたし、愛知県は先週、名古屋の中心的繁華街である栄地区や錦地区の「接待を伴う飲食店」に対して時短営業や休業の要請を行いました。

この様に進む「接待を伴う飲食店」に対する営業でありますが、実は私のYouTubeチャンネル側で行った調査において、驚くべき事実が判明しました。まず大前提として、再び全国で始まった「接待を伴う飲食店」に対する営業自粛でありますが、そもそも実はこの自粛要請は2カ月ほど前には「『夜の街』に対する営業自粛」という表現で広まっていたもの。

行政が、現在特に警戒を行っているのは風営法第二条に定められる「1号営業種」、具体的に言うのならばキャバクラ/ホストクラブ/ホストクラブ/キャバレーおよび、その営業のあり方によっては同様に「1号営業種」にあたってしまうガールズバーやスナックでありますが、当初これらの業種を総称してざっくりと「夜の街」と表現してきたものに対して「表現が曖昧で自粛の対象となっていない営業者までもが風評被害を受けている」とする批判が大きくなったことで、風営法上の表現に基づく「接待を伴う飲食店」という表現に置き換えが行われてきた業種であります。

ところが、この「夜の街」から「接待を伴う飲食店」への表現の転換が、必ずしも行政の意図する様な結果を生んでいない事が判ったのが、今回の調査結果。以下は、全国成人社会人各50名ずつに、前者の群には「『夜の街』への自粛要請、具体的に思い浮ぶ対象業種は?」と聞き、後者の群には「『接待を伴う飲食店』への自粛要請、具体的に思い浮ぶ対象業種は?」と聞いた時に、各人が選んだ業種の集計結果です。

Q. 自粛要請、具体的に思い浮ぶ対象業種は?

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(出所:筆者による)

上に纏めたのは「夜の街への自粛」という表現において「風評被害を受けている」として挙げられてきた風営1号業種には「当たらない」業種群での集計結果ですが、実は「夜の街」から「接待を伴う飲食店」への表現の変更によって自粛対象としての誤認から免れることが出来たのは居酒屋のみであり、一方でレストラン、料亭、ファストフード店、カフェなどは全て「接待を伴う飲食店」への表現の変更によってその誤認が強化されていることが判ります。

一方で、具体的に自粛の対象となっているキャバクラ等を代表とする風営1号にあたる、もしくは当たる可能性のある業種はというと、これとは真逆の結果が出ている。実は「夜の街」から「接待を伴う飲食店」という表現への変更によって、全ての業種が「自粛対象にあたる」とされる認知が10%近く減少していることが判ります。

Q. 自粛要請、具体的に思い浮ぶ対象業種は?(続き)

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(出所:筆者による)

要は「夜の街」から「接待を伴う飲食店」という表現への変更は居酒屋を除くすべての業種において、行政が意図しているのとは逆の効果が起こっており、実際に自粛対象となっている業種においてはその認知が低下し、一方で実際には自粛対象となっていない業種においてはその誤認が強化されているというアベコベの結果が発生しているとうことが今回の調査によって判明してしまった、ということになります。

ということで、今回のコロナ禍に関しては、ワクチンが開発され、またそれが普及するまでの間、おそらく数年単位で続くわけでありますが、「接待を伴う飲食店」への自粛要請に関しては引き続き、その表現手法や実施のあり方について論議&修正をしてゆくことが必要。ナイトタイムエコノミー振興の「旗振り役」の一人として夜の街を応援し続けて来た私としては、この厳しい時代の中においても何とか各業種の皆様が生き残って行ける環境が見いだせれば良いなと思っているところであります。その他、今回ご紹介した調査結果に関しては、私のYouTubeチャンネル側でより詳細な解説を行っていますので、ご興味のある方は以下リンク先を訪問&チャンネル登録頂ければ幸いです。

「大人の遊び」研究所/木曽崇

https://www.youtube.com/channel/UC0UueKrYPGueHItKNUthRWw?sub_confirmation=1

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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