台風やゲリラ豪雨による大雨で道路が冠水!水しぶきを上げて車が走ると二次被害が起きる
台風10号は本体付近のみならず、遠く離れた地域にも「遠隔豪雨」を引き起こし、大雨による甚大な内水被害が発生しています。
ニュースでは冠水した道路を、水しぶきを上げて走るトラックや車を報じてします。しかし、カメラを横に振れば、多くの地域で道路沿いの住宅や商店、歩行者が、二次被害にあっていることが分かるでしょう。
今回はニュースでは報じられない、大雨で道路が冠水した際の二次被害についてお伝えします。
内閣府防災情報のページでも小さいながら掲載している
今回お伝えする情報は内閣府防災情報のページでも、小さいながら掲載されています。
このように、道路が冠水したことで二次被害にあっている方は実際にいます。
次からは筆者が実際に見聞きした、冠水した道路を車が通行した雨水の波で起きた、二次被害について紹介します。
自宅の駐車場の車が泥水を被って浸水状態
自宅の駐車場に止めてあった車は、タイヤ部分まで雨水に浸かっていました。なんとかその程度で済んでいたので、エンジンルームは無事。
だったはずなのですが、冠水した道路を走る車によって大きな波が起こり、ボンネットまで泥水を被る被害に・・
さらに、車が通るたびに泥水を被るため車が浸水した状況となり、エンジンがかからなくなってしまったのです。
商店の扉のガラスが割れて浸水!ほとんどの商品を廃棄
店前に土のうを積んで扉のガラスに板を貼り、何とか店内への浸水を防いだ商店ですが・・
台風が去りガラスに貼った板を外し、開店の準備をしていたとき。道路を大型のトラックがとおり、大きな波が商店を襲いました。
土のうを軽々と超えた波は、商店の扉のガラスを破壊し店内に侵入します。割れたガラスが雨水と共に店内に侵入しているため、思うように動けません。
そうしているうちに、トラックや大型のワゴン車が通行し、何度も商店に水が浸入。せっかく台風から店を守ったのに、思わぬ二次被害によって床下浸水同様の被害になってしまいました。
雨水を被った商品は、全て破棄せざるを得ない状況で、損害額は数百万円におよんでいます。
歩道での避難途中に波で転倒!頭を数針も縫う大けがを負う
ひざ下まで冠水した道路を歩くのは、困難を極めます。しかし、避難所に向かうために仕方なく歩道を歩いていたとき、水しぶきを上げて車道を走り去った車のあとから、思わぬ波に襲われました。
通常でも不安定なところに、腰上までの波の力で耐えきれず転倒。頭をブロック塀に打ちつけて血だらけになりつつも、とにかく避難所まで辿り着き応急処置をしてもらいます。
その後、救急車で病院に運ばれて、傷口を数針も縫う結果になりました。
対向車線からの大量の水しぶきで視界不良に!その一瞬で追突事故を起こした
雨の日に対面通行の道路を走った経験のあるドライバ―なら、簡単にイメージできるでしょう。
冠水した道路を車で走る際に巻き上げる水しぶきは、一般的な雨のときより量が多くなります。
そのため、対向車線からの大量の水しぶきがフロントガラスに降り注ぐと、ワイパー1回では視界は開けません。
その結果、数秒間視界不良に陥り、その瞬間に前の車が急ブレーキ!しかし、水しぶきを被った車はブレーキを踏むことなく、前方の車に衝突してしまったのです。
冠水した道路の走行は要注意!交通違反で罰せられることもある
今回紹介したケース以外にも、道路の冠水による二次被害はたくさんあります。しかし、車社会の現代では「道路が冠水したから車で外出してはダメ」とはいえません。
自分の車が冠水した道路を走ったことで、誰かに二次的な被害を与えたことを、本人が知る由はないでしょう。
だって、そのまま何ごともなく走り去っていくのですから、分かりませんよね。
ところが実は知らないところで、誰かに二次的な被害を与えているかもしれません。そして、以下の道路交通法違反で、罰せられるケースもあるので要注意ですよ。
冠水した道路を車で通行するときは『速度をおとして通行するのがマナー』であると、広く知って欲しいですね。