親が亡くなる前に相続放棄をしたいです。どうしたら良いですか。
親が死んでも財産はもらわないって決めた場合、親が亡くなる前に相続放棄はできるのでしょうか。自分の生活が安定している場合や、親と仲が良くない場合、他の兄弟のために財産を使ってもらいたいなど、相続放棄をしたいと希望する理由は様々かと思います。しかし親が亡くなる前に相続放棄ができるのでしょうか。
相続放棄は亡くなった後にしかできない
実は、相続放棄は親(被相続人)が亡くなった後にしかすることができません。なぜかというと、生前でも相続放棄ができるというルールにしてしまうと、生前に強制的に相続放棄をさせようとする動きが生じる可能性があるからです。
相続放棄をするかどうかという判断は、あくまで相続人固有の権利であり、誰かに強制されるものではありません。
遺留分の放棄は可能だが裁判所の許可が必要
遺留分の放棄であれば、親(被相続人)が亡くなる前でもすることができます。遺留分とは、相続人が得ることのできる、法律で保障された相続財産のことです。たとえば配偶者がおらず、子供1人のみが相続人の場合、子の遺留分は、2分の1です。もし親の遺言書が遺留分を侵害する内容だった場合、侵害された相続人は遺留分があることを主張することができます。
ただし、遺留分の放棄は自由にすることはできません。遺留分の放棄をする相続人が家庭裁判所に許可を申立て、裁判所の許可を得る必要があります。
相続放棄の方法は相続発生後に家庭裁判所に申述すること!
もし親(被相続人)が亡くなる前に個人間で「相続放棄をする」という書面を作成していても、相続放棄したことにはなりません。もちろん口頭で相続放棄の意思表示をしても同様です。
相続放棄をする方法は、親(被相続人)の死亡後、家庭裁判所に申述する方法しかありません。なお、相続放棄をすることができる期間は 自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。
親(被相続人)の生前から相続放棄をするかどうかを検討しておくことは可能です。ですが、相続放棄自体は親(被相続人)の生前にはできないことを覚えておきましょう。