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値下がり確実とされた「武蔵小杉」、じつは中古マンション価格が相変わらず高い理由は?

櫻井幸雄住宅評論家
超高層マンションが立ち並ぶ武蔵小杉駅周辺。多摩川の対岸・大田区側からの夕暮れ(写真:イメージマート)

 東急東横線の武蔵小杉駅周辺に林立する超高層マンションで、台風による内水氾濫が生じたのは2019年の10月。ちょうど4年前となる。

 その際、一部の超高層マンションで浸水被害が生じて停電が発生。停電により断水が起こり、トイレが使えないなどの不都合が生じた。

 このニュースは、たちまち拡散した。それは、「あの武蔵小杉で」との思いを抱く人が多かったからだろう。武蔵小杉は、超高層マンションが立ち並び、最先端の、そして憧れの住宅地だった。住所は神奈川県川崎市中原区なのだが、多摩川の対岸、東京23区の大田区と同じくらいにマンション価格が高かった。

 その武蔵小杉の超高層マンションでトイレが使えない事態が発生するとは……。意外な出来事であったため、武蔵小杉の台風被害が誇張されて広まった側面もある。

 その結果、武蔵小杉のマンション価格は下落するという見通しが生まれ、「武蔵小杉では今後、マンションを買う人がいなくなる」という極端な意見まで出た。

 その武蔵小杉では、この4年間、中古マンション価格が下がり続けたのだろうか。疑問を持って今年8月の中古マンション価格調査をみたら、驚きの結果が出ていた。

 じつは、武蔵小杉の中古マンション価格は東京23区並みに高い水準を続けていたのだ。

武蔵小杉の中古マンション価格、その実情は……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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