適応障害は診断のゴミ箱:深田恭子さん休養発表から考えるメンタルヘルス
■深田恭子さん適応障害で休養発表
深田恭子さん突然の休養発表は、大きなニュースになりました。適応障害との診断を受けているそうです。魅力な女優さんですから、一日も早いご快復をお祈りしております。とはいえ、例えば足の骨折などとは違って治療すればどんどん良くなるとは限りません。「一日も早く」とファンや関係者の皆さんは願っているでしょうが、焦りは禁物です。
■有能な方々、有名な方々の適応障害
適応障害といえば、皇后雅子さまが長く苦しんでいらっしゃいました。このニュースが流れたのが、2004年。近年はお元気な姿が報道されることも多くなりましたが、まだ体調万全とはいかない部分もおありのようです。
また2016年には、TBSの元アナウンサー小林悠さんが「私は適応障害でした」とカミングアウトしています。小林さんは、TBSの看板番組「NEWS23」に出演決定直後にTBSを電撃退社していました。
<小林悠TBS元アナ「私は適応障害でした」:適応障害とは:心の病を理解し支援するために>
また、お笑い芸人の千原せいじさんや、田村亮さんも、過去に適応障害を公表しています。
心の病というと、心が弱い人がかかりそうな誤解をしている人もいますが、そんなことはありません。特に適応障害はむしろ有能でやる気のある人たちの問題なのです。
■適応障害とは
DSM5(心の病の診断手引書)によれば、明らかなストレスの元があり(環境が原因)、常識的に考えられるよりもずっと辛く生活に支障が出るようなものを指しています。
症状としては、抑うつ、不安、焦り、過敏、不眠、頭痛、腹痛、倦怠感などいろいろです。これらの症状のために、勉強や仕事に支障が出るなど、様々な問題行動が出ることもあります。その問題行動を責められたりすれば、さらに症状は悪化するでしょう。
■適応障害は診断のゴミ箱
上に書いたようなことが、一般的な適応障害の説明ですが、専門家の間では、適応障害は診断のゴミ箱だとしばしば言われます。
「その診断基準にはストレス因との時間的な因果関係以外に具体的な症状の記載がないことや、『他の精神疾患の基準を満たしていない』とする条件などから、しばしばゴミ箱的な診断と揶揄され、他の診断との異同などに関して議論の俎上に載せられている」(平島奈津子師:第113回日本精神神経学会学術総会)。
ここでは、精神医学的な問題を語るわけではありませんが、心の病の複雑さを理解しながら、心のバランスを崩した時の対処法について説明したいと思います。
■診断は適応障害。でも本当に適応障害?
病院へ行けば診断名が付きます。精神科も同じです。ただ、内科的な診断とは違って、レントゲンではっきり見えたり、血液検査の数値にはっきり現れるわけではありません。
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