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【図解】家庭菜園 トマト コレやるだけで病気になりにくくなる簡単なこと。

緒方湊野菜ソムリエプロ(高校生)

苗がどんどん成長していくと、花が咲き、やがてトマトの実ができます。最初、順調に育っていたのに、途中から実がつかなくなってしまった。元気がなくなった。そんな経験がある方、ぜひご覧ください。

芽かき

トマトがだんだん成長してくると、芽がたくさん出てくるので、それが全部伸びるとジャングルのようになってしまいます。

わき芽を摘み取ることを「芽かき」と言います。
わき芽を摘み取ることを「芽かき」と言います。

「芽かき」は、新しく出てきた「芽」を「かく」ことで、簡単に言うと、美容院で髪の毛を切るようなことです。せっかく出てきた新しい芽を取るのはもったいないと思われるかもしれないですが、そのままにしておくとボサボサになるだけでなく、栄養がトマトの実に回らずに、新しい芽が大きくなることに栄養を使ってしまいます。そうなるとトマトが不揃いになるだけでなく、甘さも足らないトマトになってしまうことを防ぐためにも「芽かき」をします。

主軸(真ん中の太い茎)と葉の茎の間にできる芽(わき芽)を摘みます
主軸(真ん中の太い茎)と葉の茎の間にできる芽(わき芽)を摘みます

「芽かき」は美容院で髪の毛を切るようなものとお話しましたが、美容院との大きな違いは、ハサミを使わないで手でとるということです。芽は柔らかいのですぐに取れます。滅菌していないハサミの場合、同じハサミで切っていくので雑菌が繁殖しやすくなったり、ハサミで切るとスパっと切れる分、切り口が大きいので雑菌が入り込む可能性が高くなるため、できるだけ「天気の良い日に手で摘み取る」と覚えておいてください。週に1度程度わき芽を摘み取るようにするとよいです。

左手をパーにして、横に向けてください。(親指が上を向いている状態です。)次に、薬指と小指を閉じてください(グーにする感じ)。
上に向いている親指がトマトの主軸(真ん中の太い茎)、横に向いている中指がトマトの葉の茎だとイメージしてください。
斜め上を向いている人差し指、これが「わき芽」になるので、このわき芽を摘み取ります。

葉かき

次にジャングルにならないためにすることは、「葉」を摘むことです。「葉」には必要な葉とそうでないものがあります。

花房の上2枚の葉でトマトに栄養をまわしているのです!
花房の上2枚の葉でトマトに栄養をまわしているのです!

トマトの実のすぐ横にある1枚の葉を残してその下の葉はすべて取ってしまいます。下の方の葉は、古くなると光合成をしなくなり、栄養を使うだけになってしまうため、葉をとり養分と水分を実に回るようにします。下の葉を取ることで通気性がよくなって病気の発生を予防できます。トマトの実から下の葉は全部なくなりますが、トマトはしっかり大きくなるので大丈夫です。

摘芯

丸で囲った部分がトマトの「成長点」です。この成長点で新しい葉や花芽ができ、トマトの樹はどんどん大きくなっていくので、身長くらいの大きさになったら茎の先端を(手で切れる太さではないので)ハサミで切ります。これを「摘芯」といい、茎と葉の成長を止めて、トマトの実に栄養をまわします。

摘芯するともうこれ以上、上には伸びないです。
摘芯するともうこれ以上、上には伸びないです。

芽かき、葉かき、摘芯をすることで、風通しもよくなり、病気にもなりにくくなり、見た目にもスマートな樹になり、実も甘くおいしくなります。

ミニトマトは赤色のものだけでなく、オレンジ色、黄色、ピンク色、黒色、緑色など様々な種類があります。ぜひいろいろな色のミニトマト栽培にチャレンジしてみてください。

野菜ソムリエプロ(高校生)

横浜在住。県立高校2年(16歳)。8歳で「野菜ソムリエ」、10 歳で「野菜ソムリエプロ」に合格し、当時の最年少記録を大幅に更新。12歳で日本さかな検定(とと検定)1級にも合格。公的機関、民間企業の大使、アンバサダーを多く拝命。公的機関や民間企業と一緒に行う野菜の普及啓発活動の他、和食文化の保護・継承にも取り組む。また官民を繋ぎ、地方共創への取り組みを支援し、関係人口の創出をサポートしている。著書:『野菜がおいしくなるクイズ』(‎飛鳥新社)

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