北日本大荒れ 暴風に少しでも雪が混じれば暴風雪警報、混じらなければ暴風警報
気象等の警報は7つ
警報は、重大な災害が起こる恐れがあるときに、それを警告して行う予報で、気象等の警報は、暴風警報、暴風雪警報、大雨警報、大雪警報、高潮警報、波浪警報、洪水警報の7種類です。
暴風に雪が混じると視程が悪くなるなど、防災上、非常に危険な状態になります。このため、特別扱いで、2つの気象要素が入っている暴風雪警報があります。ほかは、すべて1つの気象要素の警報です。
雨の場合は、雪のようなことがないので、暴風雨警報はありません。
注意報は、災害が起こる恐れがあるときに、それを注意して行う予報です。警報との違いは、「重大」であるかどうかです。また、特別扱いで、2つの気象要素が入った風雪注意報があります。
警報も注意報も、予め決めた気象要素の基準値に達すると予想した区域に対して発表となります。警報や注意報の基準値は、過去の災害等から設定し、警報の基準値を注意報の基準値より高く設定することで、「重大」であるかどうかの差をつけています。
暴風雪警報は、暴風に雪が混じるときに発表されますが、このときの雪は、量には関係がありません。雪の量が大雪注意報の基準値に達する場合は、暴風雪警報と大雪注意報を同時発表をし、雪の量が大雪警報の基準値に達する場合は、暴風雪警報と大雪警報を同時に発表されます。
強まった冬型の気圧配置
西高東低の冬型の気圧配置が強まり強い寒気が南下しています(図1)。
このため、北日本は大荒れの天気となり、北日本では暴風雪警報や暴風警報が発表されています。
暴風雪警報は、札幌市などで発表になりましたが、これは雪が混じった暴風が吹くという警報で、雪の量には関係しない警報です(図2)。
暴風警報は、えりも町など太平洋側の地方で発表になりましたが、これは雪がまったく混じらないで暴風が吹くという警報です(図3)。
吹雪と地吹雪
やや強い風程度以上の風が雪を伴って吹く状態が吹雪です。降雪がある場合と、降雪はないが積もった雪が風に舞上げられる場合(地吹雪)があります。
「やや強い風」というのは、気象庁の定義では、風速が毎秒10メートル以上、15メートル未満の強い風をさしますので、「吹雪」は毎秒10メートル以上の風が雪を伴って吹く状態ということになります。
そして、毎秒15メートル以上の強い風が吹いているときは「猛吹雪」、逆に、毎秒10メートル未満の時は「風雪」となります。
同じ吹雪でも、地吹雪は、積もった雪が風のために空中に吹き上げられる現象です。
気温が低いほど、風が強いほど雪面から巻き上げられる雪の量が多くなり、地吹雪が発生します。
地吹雪には、「高い地吹雪」と「低い地吹雪」があります。この差は、積雪が舞い上がってできる地吹雪の高さが、目の高さより高いかどうかです。「高い地吹雪」は、目の高さの水平視程が悪化して見えなくなりますので、大きな影響がでます。
しかし、風が比較的弱い場合は、地吹雪が目の高さまであがらない「低い地吹雪」ですので、目の高さの水平方向の視程は悪化しないことから、大きな交通障害にはなりません。
「雪に関する情報の用語の定義は複雑」と感じるかもしれませんが、これは、雪が降ると防災対応が難しくなることに対応しています。
最新の気象情報の入手に務めるとともに、その気象情報を効果的に利用するためには、その情報の意味を知ることが大事です。
現在は、ネット検索ですぐ調べることができます。ちょっとの手間で、自分の身を守ることができます。