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ノート(212) オレンジのフリースが話題に ただならぬ雰囲気で始まった陸山会事件の証人尋問

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(5)

受刑234/384日目

オレンジ色のフリース

 この日は東京地裁で陸山会事件の証人尋問があり、紺色のジャージ上下にオレンジ色のフリースを羽織るスタイルで出廷した。

 証人尋問後、この姿が一部のマスコミで面白おかしく報道されたが、優秀な大学を出ている有能な記者であっても、刑務所の実情など何も知らないのだと驚かされた。服装の自由が認められていない受刑者に衣装を選択する余地などなく、これらは全て刑務所が用意してくれたものだったからだ。

 一昔前の囚人服はドブネズミ色が定番だったが、昨今は色彩心理学の立場から受刑者が少しでも前向きになれるように、「オシャレ化」が進んでいる。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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