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24歳未満でマルチ本塁打12度は歴代4位。今夏のトレード市場で目玉になるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)Jun 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月4日、「3番・ライト」として出場したホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)は、1回裏にジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)のホームラン(となるはずの打球)をキャッチし、4回表と7回表にホームランを打った。

 ソトは、メジャーリーグ5年目の23歳だ。マルチ本塁打――1試合2本塁打以上――は、この試合が通算12度目。スポーティング・ニューズのスタッツセンターによると、24歳の誕生日を迎える前に12度のマルチ本塁打は、エディ・マシューズ(17度)、メル・オット(15度)、ホアン・ゴンザレス(13度)に次ぐ、歴代単独4位。11度で並んでいた3人、ハル・トロスキーボブ・ホーナーアンドルー・ジョーンズを追い抜いた。

 ソトの誕生日は、レギュラーシーズン終了後の10月25日なので、それまでに回数を増やす可能性もある。今シーズンのマルチ本塁打は、今回が初めてだが、過去4シーズンは、2018年が3度、2019年と2020年が2度ずつ、2021年は4度を数えた。

 また、この夏、ソトはトレード市場の目玉となるかもしれない。

 2019年のワールドシリーズ優勝後、ナショナルズは2年続けて地区最下位に沈み、今シーズンも同じ順位に位置する。ここまで、20勝35敗と大きく負け越し、首位のニューヨーク・メッツには15ゲーム以上の差をつけられている。6月4日は勝ったものの、ソトのホームラン・キャッチと2本のホームランがありながら、7回表が終わった時点では、6対7とリードされていた。

 ソトがFAになるのは、2024年のオフだが、今年2月に「提示された「3億5000万ドル」の延長契約を断る。希望額は史上2人目の4億ドル!?」で書いたとおり、ナショナルズはソトと長期契約を交わすことができていない。

 今月初め、マイク・リゾーGMは、オーデシーのラジオ番組「ザ・スポーツ・ジャンキーズ・ショー」で、「我々はホアン・ソトをトレードには出さない」「彼を中心にチーム作りをする」と語ったが、わざわざこういうコメントを出したのは、トレードの噂が浮上しているからだ。火のないところに……というわけではないが、過去の例からすると、GMが否定しても、トレードがないとは限らない。

 過去4シーズンともOPS.920を超えているのに対し、今シーズンのOPS.844はやや低めながら、昨シーズンも、前半のOPSは.852だった。ホームラン・ダービーで大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)を破り、それを挟み、後半はOPS1.164を記録した。

 今夏のトレード・デッドラインは、8月2日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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