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元アイドルと結婚したプロ野球選手の今シーズンの成績と内助の功は?

斉藤貴志芸能ライター/編集者
板野友美公式インスタグラムより(@tomo.i_0703)

 元AKB48・HKT48の多田愛佳が第一子の出産を発表した。多田の夫は千葉ロッテマリーンズの山口航輝外野手。インスタで「球団の方や、サブロー二軍監督のご配慮のおかげで(出産に)立ち会うことができました」と書いていた。

 おめでたいニュースに水を差すわけではないが、今年の山口は1軍出場は51試合止まり。打率.200、本塁打2本と、主砲候補の期待に添えない成績に終わっている。他の元アイドルを妻にしているプロ野球選手たちの今シーズンはどうだったのか? ペナントレースを振り返ってみた。

多田愛佳と結婚のロッテ山口は開幕4番も2軍で終戦

 多田は2006年にAKB48の3期生に合格。同期の渡辺麻友らとのユニット・渡り廊下走り隊で活躍した。2012年には「AKB48では上も下も詰まっている」と、活路を求めて自ら福岡が拠点のHKT48に移籍。2017年に卒業し、2022年には事務所も退所。芸能活動を休止していた。

 1年後の2023年11月に、山口が契約更改後の会見で多田との結婚を発表。多田もインスタに連名の入籍報告を上げた。元より野球好きだったがヤクルトファン。6歳年下の山口とは知人の紹介で知り合ったという。

 山口はプロポーズについて、テレビ番組で「お台場のクルージング船のデッキで『結婚してください』と。一生に1回しかないんで頑張りました」と話していた。

 明桜高から2018年にドラフト4位でロッテに入団した山口。2022年に16本、2023年に14本のホームランを放ち、今季は開幕戦で4番を務めるなど飛躍が期待されていた。しかし、不調やケガで登録抹消を繰り返し、2軍でシーズンを終えている。

 結婚直後には多田はインスタのストーリーズで山口と愛犬との写真を公開。ハワイでのハネムーンを「旦那さんの海外行きたいの一言で決まった旅」と投稿もしていたが、その後は家庭のことには妊娠報告まで触れていなかった。

 出産の際には第一子の足裏の写真をアップして「立ち会ってくれた夫と、パパとママの元に来てくれた娘に感謝です」と綴っている。家族が増えて、山口の来季へのモチベーションも高まっていることだろう。

多田愛佳インスタグラムより(@lovetannnnnn)
多田愛佳インスタグラムより(@lovetannnnnn)

大場美奈にSB石川がディズニーホテルでプロポーズ

 48グループからは、元AKB48・SKE48の大場美奈も、2023年1月に福岡ソフトバンクホークスの石川柊太投手と結婚している。

 大場は2009年にAKB48の9期生に合格。同期には島崎遥香や横山由依らがいる。個人でグラビアでも活躍し、2014年にSKE48に兼任から完全移籍。2018年の最後の選抜総選挙では8位に入った。

 映画『地獄少女』、舞台版『ハケンアニメ!』など女優活動も増えて、30歳となった2022年4月に卒業。舞台を中心に芸能活動を続けていた。

 石川のほうは創価大から2013年に育成選手としてソフトバンクに入団。2017年に8勝を挙げて頭角を現し、日本シリーズでもリリーフで2勝。2018年には13勝、コロナ禍で縮小された2020年には、先発に定着して11勝3敗で最多勝利と最高勝率のタイトルを獲得している。

 2021年に博多華丸が主演した舞台に大場が出演した際、福岡公演で知り合い、SKE48卒業後から交際を始めたという。2022年12月に東京ディズニーランドのホテルでプロポーズ。「気が合うし、自分のへりくつな話にも付き合ってくれる。一緒にいてストレスがない」とコメントしていた。

夏場からの復調でリーグ制覇に貢献

 石川はももいろクローバーZのファンで佐々木彩夏推しを公言。現在もSNSのプロフィールには「モノノフ あーりん寄り箱推し」とある。昨年末の「ももいろ歌合戦」では佐々木と石川、大場がステージで共演し、推しと妻との3ショットが実現した。

 結婚後の昨年は4勝8敗に終わったが、8月の埼玉西武ライオンズ戦ではノーヒットノーランを達成。大場もXで「本当におめでとう」と投稿し、「頑張ったのは彼自身と、支えてくださったチームの皆さんです。そして何より応援して頂いてる皆さんのおかげです」と綴っていた。

 今季はキャンプで腕の張りから調整が遅れ、前半戦はリリーフ中心で2勝2敗。2軍での再調整を経た8月からは先発で好投を続け、優勝を決めたオリックスバファローズ戦など5勝。シーズンを通して7勝2敗、防御率2.56と、ソフトバンクの4年ぶりのリーグ制覇に貢献している。クラマックシリーズでは第4戦の先発が予定されていた。日本シリーズで登板が見られるかもしれない。

 大場は今年3月にインスタで「福岡に引っ越してきてもうすぐ1年!」と投稿したが、最近は石川のことには触れていない。仕事はセーブしているようで、家庭でのサポートに務めているのかもしれない。

板野友美と結婚したヤクルト高橋は成績アップ

 全盛期のAKB48で神7の1人だった板野友美は2013年に卒業し、2021年1月に東京ヤクルトスワローズの高橋奎二投手と結婚した。当時、板野が29歳、高橋が23歳。共通の友人を介して知り合い、1年半の交際をしていたという。同年10月には第1子の出産も発表した。

 高橋は龍谷大平安高から2015年のドラフト会議で3位指名を受けて入団。2019年に4勝を挙げたが、結婚前年の2020年は1勝3敗に終わっている。

 結婚して迎えた2021年は4勝1敗ながら防御率2.87と先発ローテーションを守り、ヤクルトのリーグ優勝に貢献。日本シリーズでも第2戦で完封勝利し、優秀選手賞を受賞。翌2022年も8勝2敗の好成績で、結婚効果は大きいように見えた。

 WBC日本代表に選ばれた2023年は4勝9敗。今シーズンも春先から調子が上がらず、1・2軍を行き来しながら、9月7日に前年と同じ9敗目(5勝)を喫した。しかし、その後は先発した3試合すべてで6回無失点で勝利投手に。チームが低迷していた中で最下位を免れる力になった。最終的には8勝9敗、防御率3.58の成績を残している。

キャンプ訪問や家族旅行の動画もアップ

 板野は結婚後に『行列のできる法律相談所』に出演し、夫の高橋を「けけ」と呼んでいて、野球に詳しくなかったが料理を勉強したことを明かした。その後も折に触れ、SNSや自身のYouTubeチャンネルで高橋や娘との日常に触れている。

 今年2月にはインスタで「けけに会いにヤクルトキャンプへ」と投稿し、沖縄でのユニフォーム姿の高橋と娘との3ショットなどを披露。vlogでは3月に「撮影終わりにけけと2人で久しぶりに映画とdinnerへ」と、ドライブからの夫婦デートの一部始終を公開した。

 9月には「けけの夏のお休みに家族で温泉」と箱根の旅館で親子水いらずでくつろぐ姿も。この動画のニュースには、ヤクルトが最下位で高橋も不振の時期だったこともあり、「シーズン中に上げるべきでない」との声もあった。

 一方、板野は手料理をインスタのハイライトに頻繁にアップ。青木宣親外野手の引退試合での高橋の登板前日には、Xでカツ丼の写真と共に「×カツ丼 〇勝つ丼」と投稿。食事や精神面で板野が高橋の支えになっていることはうかがえる。

 また、板野がプロデュースする妹分ユニット「RoLuANGEL(ロールエンジェル)」には、板野の妹の板野成美、高橋の妹で義妹に当たる高橋美結が共にメンバーになっている。

衛藤美彩と結婚の西武源田は好調を続けて

 今シーズンは91敗と球団史上ワーストを更新し、ダントツの最下位に沈んだ埼玉西武ライオンズ。その中で、今年も主将を務めて主に1番ショートで出場を続けたのが源田壮亮内野手。打率.264と安定した打撃と球界屈指の守備力は、チームの大不振にも揺るぎなかった。

 その源田の妻は元乃木坂46の衛藤美彩。「ミスマガジン2011」グランプリを経て1期生に合格。2年後の2013年に7thシングル『バレッタ』で初の選抜入りを果たし、2015年の13thシングル『今、話したい誰かがいる』ではフロントに。

 歌唱力も演技力も高く(映画『静かな海』では仲野大賀とW主演)、MCもそつなくこなす万能タイプ。グループでは年長組で「みさ先輩」と呼ばれ、握手会でのファン対応も評判だった。2018年からはCSの『プロ野球ニュース』でキャスターを務めた。

 源田はトヨタ自動車から2016年のドラフト会議で3位指名。1年目からレギュラーとなり新人王を獲得。翌年から昨年までゴールデングラブ賞を6年連続で受賞し、ベストナインにも4年連続で選出されるスター選手となった。

衛藤美彩(撮影/松下茜)
衛藤美彩(撮影/松下茜)

アスリートフードマイスターの資格を取得

 2人が知り合ったきっかけは『プロ野球ニュース』での取材。共に大分出身の同い年(現在31歳)とあって、衛藤は「彼がプロ1年目のときから知ってました」とコメントしていた。友人の関係から、2019年3月に乃木坂46を卒業後に交際を申し込まれ、同年10月に結婚。2022年1月に第1子、2023年12月に第2子を出産している。

 結婚を機にアスリートフードマイスターの資格を取得。最近のインタビューで「その日の体調や本人が食べたいもの、1日の食事内容のバランスを見て考えています」と語っている(モデルプレスより)。

 インスタで長女のお宮参りの家族写真を投稿したり、雑誌「後期のたまごクラブ」の表紙を源田と夫婦で飾ったり、変わらず仲睦まじい様子。前述のインタビューでは「遠征で家にいないことが多い中でも、夫婦でのコミュニケーションはすごく大事にしています。夫は“一緒に子育てをしている”と実感できる関わり方をしてくれるので、ストレスが溜まることはないのかもしれないですね」とも述べていた。

 結婚から5年になるが、源田が日本を代表するショートとして好成績を続けている背景に、円満な家庭生活も大きいのだろう。

紺野あさ美と結婚した年に移籍の日本ハム杉浦

 北海道日本ハムファイターズのセットアッパー杉浦稔大投手は、同じ北海道出身で元モーニング娘。からテレビ東京アナウンサーになった紺野あさ美と結婚している。

 紺野は中2だった2001年にモーニング娘。に5期メンバーとして加入。大学進学のために2006年に卒業し、慶応大の環境情報学部のAO入試に合格した。

 2011年にテレビ東京に入社、アイドルからアナウンサーへの道に先鞭をつける。同期の植田萌子アナとの『もえ×こん』や『紺野、今から踊るってよ』の冠番組の他、『neo sports』、『L4 YOU!プラス』、競輪中継などを担当した。

 杉浦は国学院大から2013年にヤクルトにドラフト1位で入団。先発として1年目が2勝2敗、2年目が1勝3敗。3年目はリリーフから先発に戻って3勝2敗、防御率7.14と振るわなかった。

 そんな中で2017年の元日に結婚発表。紺野が5歳上の年上女房だ。プライベートの食事会で出会ったといい、紺野はブログで「同郷だからか食や音楽の好みも似ているところが多く、日々の何気ないことも一緒にいるととても幸せに感じられ、共に歩んでいきたい気持ちが芽生えてきました」と綴っていた。

 同年5月に紺野はテレビ東京を退社し、7月に杉浦は日本ハムにトレードで移籍。9月には第1子が誕生という慌ただしい1年に。家族で札幌に居を構え、杉浦は2020年には主に先発でキャリアハイの7勝を挙げた。翌2021年にはクローザーで3勝3敗28セーブ。2022年は先発に戻って3勝6敗、2023年は再びリリーフとして0勝1敗だった。

遠征中も電話を欠かさず大詰めで中継ぎを担う

 今年は開幕から17試合連続で自責点0と春先は好調だったが、調子を落として7月に登録抹消。9月に1軍に復帰し、チームが6年ぶりのクライマックスシリーズ進出を目指していた中で、中継ぎ陣の一角を担った。トータルでは2勝3セーブ、防御率1.56でまとめている。クライマックスシリーズではソフトバンクとのファイナルステージ初戦に登板。山川穂高内野手に一発を浴びた。

 紺野は2019年に第2子、2021年に第3子を出産。今年8月には第4子が誕生した。YouTubeチャンネルでは子育てなどママとしての日常を発信。9月の次男の3歳の誕生日パーティーの動画などでは杉浦も顔を出している。

 8月の「たまひよ」のインタビューでは「シーズンが始まると夫が遠征に出てしまうので、じっくり話せない時期があります。そんな中でも毎日電話をしたり、子どもたちの写真や動画を送ったり、コミュニケーションを取るようにはしています」と語っていた。4児の子育てに奮闘しつつ、夫婦の絆も強い様子。

 オフシーズンは「夫は練習がありますし、まだ子どもも小さく家族も多いので、あちこち旅行に行くことはないです。夜は家族全員で過ごせるので、食事をしたり、一緒におふろに入ったり、ゆっくり過ごしています」とのこと。家族が増えたところで、杉浦もシーズンを通した活躍へ英気が養われることだろう。

楽天田中と里田まいは結婚12周年に

 東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手は、ハロー!プロジェクトのカントリー娘。出身の里田まいと結婚12周年を迎えた。記念日の3月20日に、里田はインスタに「この一年で、新たにお気に入りのお店が出来たり、一緒に楽しめる趣味が出来たり。子供中心の毎日になりがちだけど、引き続き二人の時間も大切にしていきたいです」と投稿。田中に寄り添った2ショットも上げた。

 駒大苫小牧高時代、早稲田実業との再試合に及んだ決勝で準優勝など、甲子園で大活躍した田中。2016年の高校生ドラフト会議で4球団の1巡目指名を受け、交渉権を獲得した楽天に入団した。1年目から11勝を挙げて新人王。エースとなり、結婚翌年の2013年には24勝0敗という驚異的な成績で、球団史上初の日本一の原動力に。

 里田は札幌出身で、2001年に“半農半芸”を掲げたカントリー娘。の追加メンバーオーディションに合格。2006年から『クイズ!ヘキサゴン!!』の珍回答ぶりをきっかけに、おバカタレントとして人気になった。木下優樹菜、スザンヌとユニットPaboを結成し、『恋のヘキサゴン』でCDデビューもしている。

田中のヤンキース時代、試合を観戦する里田
田中のヤンキース時代、試合を観戦する里田写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

NY生活を支えるために英語を猛勉強

 田中とはテレビ番組の共演で知り合い、結婚発表の際の田中のコメントでは「交際を始めたころから、彼女の優しさを身に染みて感じ、安心してプレーを続けることができました。昨シーズン(19勝を挙げた2011年)、数々の賞をいただくことができたのも、彼女に温かく見守ってもらい、支えられてきたからこそです」とあった。

 4歳年上の里田は結婚後にジュニア・アスリートフードマイスターの資格を取得。ブログで「油を使わないでヘルシー」なカツなど、栄養バランスを考えた夕食の写真をアップしていた。

 田中は2014年にニューヨーク・ヤンキース移籍後も、6年連続で10勝以上を上げてエース格で活躍。その陰で、おバカタレントだった里田は通信教育で英語を猛勉強し、周りとの交流ができるように努力したと伝えられている。結婚後の田中が楽天とヤンキースでより成績を上げたのは、里田の助けと無縁ではないはず。里田はニューヨークで2016年、2019年と2児を出産した。

 2021年の楽天復帰後の田中は、ケガもあって往年のような成績を残せず、昨年オフには右肘を手術。日米通算200勝まであと3勝で迎えた今シーズンは、2軍での調整が続き、初登板した9月のオリックス戦では5回4失点と負け投手になっている。

 11月1日で36歳の田中。大投手の来シーズンの復活に、里田の支えはより欠かせないものになりそうだ。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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