再起を目指す"スター"世界ランカー
4月22日にジャーボンテイ・デービスにKO負けし、23勝(19KO)1敗となったライアン・ガルシア。
プロモーターであるオスカー・デラホーヤを批判し、初黒星を喫した際にコーナーに付いていたトレーナーに不平を述べていた姿が記憶に新しい。とはいえ、デラホーヤによって"スター"に作り上げられた人気先行型であることに異論の余地は無い。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8471078d50f6825d68ea4ee0a929bb0a920fe05f
再起を目指すにあたり、ガルシアはデリック・ジェームズにコーチを依頼し、エロール・スペンス・ジュニアのキャンプに参加した。そして最近、カムバック戦の相手として3名の候補選手を挙げた。
まずは、WBA/IBF/WBOライト級統一チャンピオンであり、6月にWBOスーパーライト級王座を獲得したテオフィモ・ロペス。
2人目は今年5月13日に行われたWBAスーパーライト級空位王座決定戦で、9回KO勝ちでベルトを獲得したローランド・ロメロ。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b94d483577a27f870582785cbbc19f68ec397c54
ロメロもまた、キャリア初にして唯一の敗北をジャーボンテイ・デービスから喫した。そして初防衛戦の相手に、ガルシアを希望しているらしい。
先のロメロの勝利は、政治力が味方したものだった。彼はデービスに屠られてから、何かが壊れた感がある。<デービスに負けた者同士>として注目を集める可能性も大だ。
そして、3人目がWBAライト級1位となったイサック・クルス。クルスとガルシアは、1年以上前から舌戦を続けている。
クルスは、先の4冠統一ウエルター戦の折、セミファイナルに登場したが、スプリットディシジョンでの辛勝だった。内容的にも、自身の評価を下げるパフォーマンスだった。ガルシアが「与し易し」と感じたのは間違いない。
デービス戦まで、真の実力者との対戦が無いままスターとなったガルシアは、これからが正念場だ。現状を見る限り、3名のなかでは、ロメロが最も戦いやすいか。
ガルシアの復帰ロードを見詰めると、改めてジャーボンテイ・デービスの実力が頭一つ抜けていることを感じる。
いずれにしてもガルシアの復帰戦は、そこそこ大きな興行となるだろう。デリック・ジェームズの教えは、ガルシアにどんな変化をもたらすか。