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元WBCライトフライ級王者の新たな戦い

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
江口康二氏を迎えた際のトークショー 写真:木村悠提供

 元WBCライトフライ級王者の木村悠がリングを離れてから、早、8年9カ月が過ぎた。現在は、「Reset」社の代表取締役社長として、多忙を極める。ボクシング会場にも姿を見せ、記者席から戦況を見詰めている。

 「現役時代、引退後のキャリアについて深く考えることはあまりありませんでしたが、商社に勤めていたこともあり、自分のキャリアを活かして何か活動したいとは思っていました。

撮影:筆者
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 引退後、転職を機に個人事業として活動していましたが、売上が増えてきたことと取引先との信頼関係や法人としての信用を考え、法人化しました。会社の設立は2020年です」

 講演活動、ダイエットのアドバイス、そして老若男女の経営者を集めた健康セミナーなど、幅広い活動を展開中だ。

 「週に2〜3回、組織のトップが情報を交換し、学習し合う場所にも顔を出しています。そこで培った人脈を活かし、経営者の健康を考える会も発足しました。2024年2月のことです」

撮影:筆者
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 先月で9回を迎えたこの会は、ゲストを招き、木村が司会のトークショーが行われる。毎回、80名から100名ほどの経営者が揃う。

 「参加者が興味を持ちそうな方を選んで声をかけています。経営者が共通して抱える健康に関する悩みに合った方にお越し頂いていますね」

 直近のゲストは株式会社メディロムのCEO、江口康二。ビジネスマンのみならず、人間にとっていかに睡眠が大切かをテーマとした。

 「会の目的は経営者の健康を守ることです。そのプラットフォーム作りを進めていきたいと考えています。病気や怪我をした際にさまざまなサポートができるよう、いろいろな事業者と提携し、ストレスを抱える経営者を心身ともに支えていきたいですね。

 弊社の最終目標は、引退後も活躍できるアスリートを増やすことです。アスリートは高いポテンシャルを持っていますが、引退後に目標を見つけ難く、モデルとなる存在が少ないのが現状です。

撮影:筆者
撮影:筆者

 そのため短期目標としては、毎年の目標とした売上を上げて社会に貢献し、将来アスリートが目指せる雛形を作りたいです。元アスリートがセカンドキャリアでも社会で活躍し、リーダーとして増えていけば、日本全体が元気になると思っています。

 また、経営者にとって人手不足は深刻な問題です。今後は、ボクサーやアスリートへのキャリアアドバイスや仕事紹介も進めていきたいです。ボクサーは高いポテンシャルを持っており、やる気と成長への意志があれば、経営者になれる人材も多いと感じます。そうした人材を増やしたいですね」

撮影:筆者
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 今日も精力的に活動する木村悠。ビジネスマンとして、良き仲間に囲まれている。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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