統一教会の会見(田中会長):異常な宗教迫害とも言える偏向報道?:破壊的カルトへの冷静で鋭い追及を
<心ない行為は止めよう。冷静で鋭い追及を続けよう。>
■旧統一教会(世界平和統一家庭連合)田中会長が会見を開く
報道によると、旧統一教会の田中会長は会見をを開き、統一教会の名称変更や集団結婚式には問題はなく、「異常な宗教迫害とも言える偏向報道」だとし、むしろ「全国の教会に『殺すぞ』と叫ぶ脅し、脅迫電話、街宣車での大音量による罵声と“被害”を訴え」ました(統一教会 脅しや罵声の被害訴え:MBSニュース8/10Y!)。
■カルトとは、破壊的カルトとは、通常の宗教との違いは
信教の自由は守られなければなりません。同時に、欺瞞(人をあざむきだますやり方)やマインドコントロール等で、人びとの金銭や自由を奪う破壊的カルト集団は許されません。
「カルト」とは、本来は熱狂的な小集団などを表す言葉で、必ずしも悪い意味ではありません。
「破壊的カルト」とは、マインドコントロールなどの悪質な手法で信者を獲得し、本人や家族や社会全体に害を与える集団のことです。現在では、破壊的カルトの意味でカルトと言われることも多くなっています。
通常の宗教は人を救い、開放するものですが、カルト(破壊的カルト)は、心を呪縛し人権を侵害します。同じ宗教ではないかと言う人もいるでしょうが、カルトと通常の宗教の違いは、詐欺商法と一般の商売の違いのようなものです。
一般の商売でも、利益を上げるために努力をしますが、法律や道義に反することはしないでしょう。詐欺商法は、平気で法や道義を破るわけです。
カルトと呼ばれる宗教も他の宗教も同じだと考えるのは、むしろカルト側の主張であり、私たちはきちんと分けて考えたいと思います。
■信者は進んで寄付し、合同結婚式に参加している?:信者向け?
ここが難しいところです。マインドコントロールは、自分が操られていると自覚させない方法です。
全財産を寄付し、借金を重ね、自己破産して、そのために息子が殺人容疑で逮捕される。こんなことになれば、普通の人なら激しく悩み苦しみ後悔するでしょう。
そうならないところが、マインドコントロールです。本人が嫌だと言っていなければ良いわけではありません。
また、「異常な宗教迫害とも言える偏向報道」といった部分も含め、世間やマスコミは非難しているが、そんなことはないと信者向けに言っている部分もあるかもしれません。
(彼らが、信者向けに情報発信するなら、私たちもそれが必要かもしれません。<旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の信者のみなさんへ:愛と希望を届けたい>)
■心ない行為はやめよう・効果的な追及をしよう
統一教会側は、「殺すぞ」と叫ぶ脅し、脅迫電話、街宣車での大音量による罵声など、心ない行為が寄せられていると訴えています。
これは、たしかに問題です。相手が誰であれ、法やマナーに反することは控えましょう。誰に対してでも、人権侵害は許されません。
「悪者」には、何をしても良いと考える人がいますが、そんなことはありません。それに、そんなことをしても相手に反論の機会を与えるだけではないでしょうか。
さらに、カルト宗教の末端信者の多くは、誠実な善人です(その善人が教祖や組織のためなら違法なことまでしてしまうのが悲しいことですが)。
その人たちをののしっても、むしろ逆効果です。下手な攻撃は、彼らの団結心を強めるだけでしょう。
ある集団が、悪質な破壊的カルトなのかどうか。それは、慎重な判断が必要です。世間の大声だけにとらわれてはいけません。ただし、多くの関係者者や弁護士、研究者やジャーナリストが問題を指摘しているのであれば、新たな被害者を出さないためにも、問題追及は必要です。
問題追及は、感情的な罵詈雑言ではありません。冷静に鋭く問題を指摘し、みんなで考えていきたいと思います。
カルトは賢いのです。私たちも、賢く鋭く追及しなければ、カルトに勝つことはできません。
マインドコントロールを解くためには、頭ごなしの否定では効果が上がりません。その人自身に考えてもらうことが必要です。安心して帰れる場所がなければ、カルトにしがみつくしかないのです。