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アマゾンがボーイング旅客機11機購入、トランプ氏はアリペイなど中国アプリ禁止の大統領令

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]アマゾンがボーイングの旅客機11機購入、航空貨物の輸送能力拡充

 米アマゾン・ドット・コムは2021年1月5日、米ボーイングの中型旅客機「767-300」11機を北米の航空会社2社から購入したと明らかにした。カナダのウエストジェット航空から4機、米デルタ航空から7機購入した。

 いずれも貨物機に改造し、それぞれ2021年と22年に航空貨物事業「Amazon Air」に導入する。これまでリース契約で調達していたが、今回初めて購入した。

 新型コロナウイルスの影響で旅客航空会社が機材の削減を進めており、中古機の価格が下落していると米CNBCは報じている。アマゾンは22年までにリース機を含めて85機超の航空機を抱えるという。

[2]トランプ氏、アリペイなど中国アプリ禁止の大統領令に署名

写真:ロイター/アフロ

 トランプ米大統領が、8つの中国アプリとの取引を米国内で禁じる大統領令に署名したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが1月5日に報じた。

 対象は、中国アリババ集団傘下のアント・グループが提供する「支付宝(アリペイ)」や騰訊控股(テンセント)の対話アプリ「WeChat(ウィーチャット)」内の決済サービスなど。

 「これらのアプリは利用者の個人情報にアクセスできる。中国政府と中国共産党に米国人のデータが渡る恐れがあり、連邦政府職員などの位置情報を追跡したり、個人情報の調査資料を作成したりすることを許してしまう」と指摘した。禁止措置の発効は45日後で、トランプ氏の大統領退任後になる。

 トランプ大統領は2020年8月にも国家安全保障上の懸念を理由に、中国発の動画投稿アプリ「TikTok」とウィーチャットに新たな制限を課す大統領令に署名した。いずれも裁判所に一時差し止めを命じられている。

 TikTokを巡っては、商務省がインターネット・ホスティング・サービスやコンテンツ配信サービスを提供する米企業に対し、取引を禁じる措置を発動するとしていたが、これも連邦地裁が一時差し止めを命じた。トランプ政権は裁判所命令を不服として連邦控訴裁判所に上訴している。

[3]米NY証券取引所、中国通信大手3社の上場廃止を撤回

 米ニューヨーク証券取引所は1月4日、中国通信大手3社の上場を廃止しないと明らかにした

 12月31日に、中国電信(チャイナテレコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)の上場廃止に向けた手続きを始めると発表していた。その理由を「中国の軍事・情報・安全保障機関に関与する中国企業に対する、米国人による投資を禁じる大統領令を考慮する」と説明していた。

 方針撤回の理由は「関係する規制当局とのさらなる協議を踏まえた結果」としており、詳細は不明。ロイターは関係者の話として、「中国軍と関係が深い中国企業」という文言の曖昧さが原因だと報じている。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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