気象庁・異例の梅雨明け検討か 高齢者の熱中症激増 今週後半は再び40度の可能性
真夏ではないか
6月25日(土)は、群馬県伊勢崎市で6月としては国内観測史上初となる40.2度を記録するなど、各地で記録的な暑さとなりました。
下の天気図は、きょう朝9時のものですが、これをみたとき直感的に「真夏ではないか」と思いました。
梅雨は6月から7月にかけて起こる季節現象(沖縄は5月)なので、突出して早い梅雨入りとか梅雨明けの発表は通常はしません。梅雨明けは、だいたい7月の中旬か下旬というのが例年で、まれに立秋(8月7日ごろ)過ぎまで雨が続いて、梅雨明けが無かった年(1993年)もあります。ところが今年は、いつ梅雨明けが発表されてもおかしくない状況で、さらに付け加えれば、関東・甲信に関しては、すでに梅雨明けしているのではないでしょうか。
6月の日照時間
俗に「梅雨明け十日」という言い方があります。梅雨が明けるときは太平洋高気圧が急激に強まることが多く、その勢いで10日間くらいは晴天が続くという意味です。
東京の日照時間を見ると、6月24日(金)に7.7時間と急に陽射しが出るようになり、25日(土)は12.3時間、そしてきょう26日(日)は午後3時の時点ですでに10時間近くに達し、三日間ほど真夏の晴天が続いています。
問題はこのあとの予報です。
強まる太平洋高気圧
太平洋高気圧の強まりは、上空の高度で表されます。コンピューターで予想した高気圧の強まりを見ると、日を追ってどんどん高度が上がっています。この見方は少し専門的ですが、5880メートルと書いてある赤塗りの部分が真夏の高気圧の圏内です。7月1日のところをみると、5880メートルの線が北緯40度付近まで達しているのがわかります。北緯40度というのは東北地方まで真夏の高気圧の勢力が広がるということを示しています。
その他の資料を参考にしても、7月上旬まではこの暑さが続きそうで、これは関東甲信では実質的に「梅雨が明けている」といってもいい状況です。
6月の梅雨明け発表というのは季節現象としては早すぎるので、気象庁は発表をためらう空気があるのかもしれません。もし、近日中に発表があれば統計史上最も早い梅雨明けということになります。(関東甲信の最早日は2018年6月29日)
熱中症はもはや自然災害
気象庁は「東日本から西日本の梅雨明けについて例年にない早いタイミングで本格的な検討を始める方針」だとしています。
この先、いつ梅雨明けの発表がされるか定かではありませんが、発表があっても無くても、目の前の酷暑は深刻なほどのレベルで、特に週の後半は内陸部を中心に再び40度まで上がる地点が出てくる可能性があります。
近年、熱中症で亡くなる方が急増しています。1995年頃は年間300人前後でしたが、一昨年は1500人以上(そのうち約9割が65歳以上の高齢者)の方が亡くなっているのです。もはや、熱中症は自然災害と言っていいかもしれません。
今年は電力不足も心配され、エアコンの使用を控えようと考える方も多いでしょう。しかしながら、命を危険にさらしてまで控えることはありません。
まず天気予報でどの程度の暑さがどれくらい続くのかを確認して、リスクを下げる行動が大切だと思います。
参考
熱中症による死亡者数 厚生労働省人口動態統計
※タイトルを修正しました