どうなるTwitter閲覧制限 「移行先」求める動きも
Twitter上では、6月30日ごろから一時的な措置としていくつかの閲覧制限が導入されており、ユーザーからは不満の声が上がっています。
これまでに大規模なユーザーの離脱は起きていませんが、いよいよ移行先を求める動きは本格化するのでしょうか。
分散型SNS 受け入れ体制には限界も
Twitterの現状について、イーロン・マスク氏などの説明によれば、外部のAIなどによるデータ取得(スクレイピング)が横行していたようです。
こうしたスクレイピングは、サーバー側から見ると人間による通常のブラウザー利用と見分けがつきにくいことから、スクレイピングだけを規制するのは困難とみられています。
また、世間の耳目を集めるこの状況を最大限に利用したいのか、高機能な公式アプリ「TweetDeck」を認証ユーザー用(Twitter Blueの契約者用)としてリニューアルするなど、有料プランの売り込みも強化しています。
一般に、SNSでは利用者が多ければ多いほど価値が高まる「ネットワーク効果」が働くとされており、よほどのことがない限りは、大規模にユーザーが離脱するという事態は考えにくいといえます。
Twitterは災害時などに他のインフラを補完する機能も果たしていることから、できれば元に戻ってほしいところですが、さすがに今回こそは多くの人が移行を考えるのではないか、と思える動きも出てきています。
たとえばMastodonへの投稿は3倍になったといいます。一時的な避難のために登録者が増えるだけでなく、投稿が増えているという点は興味深い変化です。
日本発の分散型SNSとして知られる「Misskey」では、その中で最大のサーバーとみられる「Misskey.io」は登録者が20万人を超え、新規登録は有料の招待制となっています。
Twitterに出自を持つ「Bluesky」も、今回の騒動で新規登録を停止(その後、再開)しています。ただ、Blueskyは商用サービスというより一種のサンプルアプリのような位置付けとなっています。
こうした分散型SNSは、誰でもサーバーを立ててサービスを提供できるなど自由度の高さがある一方で、管理やサポート面で一度に大勢のユーザーを受け入れるのは難しい状況にあるようです。
その他、小規模なDiscordサーバーに避難するといった動きは無数にあるものの、移行先として決定版といえるものはないように思います。その中で一気に注目を集めているのがMetaの「Threads」です。
Meta、いよいよTwitterと「デスマッチ」か
Threadsはアプリストア(iOS用、Android用)からの配信が予定されており、iOS向けには7月6日にリリース予定となっています。
現在のInstagramは画像が中心で、説明を付けたりコメント欄でやりとりしたりはできますが、これをTwitterのようにテキストを中心にしたのがThreadsという印象です。
ゼロからの出発ではなく、インスタと連携し、同じアカウント名でインスタの友だちとつながれる点は強みといえます。ただ、Twitterを匿名で使いたいという人には抵抗がありそうです。
最近ではイーロン・マスク氏とMeta CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が格闘技で戦うのではないかというネタが話題になったこともあり、両氏の対決としても注目されそうです。