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【家庭菜園】5月に植えるべき野菜『ナス』 肥料も水も大好きなので、甘やかして育てるのがコツです

緒方湊野菜ソムリエプロ(高校生)

ゴールデンウィークも終わり、これから家庭菜園でおすすめなのが、「ナス」です。ホームセンターなどでは4月から苗が売り出されていますが、早めに植える場合は防寒対策も必要になるので、気温が落ち着いてきたこれからの時期に植えるのがピッタリです。ナスはインドの高温多湿な地域が原産地なので、肥料も水も大好きです。一度でも肥料切れや水切れを起こすと、たちまち生育が悪くなります。甘やかして育ててください。

気温が20度以下になるときは苗に不織布やビニールトンネルを掛けたり、夜間はプランターを家の中に取り込んだり、軒下に移動するなどして防寒対策を行います。

◆事前に準備するもの

・プランター 

1株に対して直径・深さともに30センチ以上のサイズのものが理想です。ナスは横に広がるように育つので、少し広めにスペースを確保しましょう。

・支柱

実の重さに負けて茎が倒れることを防ぎます。またナスの皮は柔らかく、茎などでこすれると傷がつきやすいので、ナスの実が風に揺さぶられないよう、枝を支柱に誘引します。

◆苗を選ぶ

おすすめは5月上旬にナスの苗を購入し、5月中旬から(遅くても6月中旬までに)植え付けるのがよいです。本葉が7~9枚でつぼみや花(一番花)が付いた、茎が太くてしっかりした苗がおすすめです。根となる植物(台木)と地上部になる植物(穂木)の茎をつなぎ合わせた「接木苗」を選ぶと病気や連作に強いです。下葉が黄色くなっているもの、本葉の数が2~3枚の少ないもの、ひょろっとして茎が細いものは避けます。

◇鉢上げ

育苗中のナスは両端の4つ。真ん中はミニトマト。カメは置物です。
育苗中のナスは両端の4つ。真ん中はミニトマト。カメは置物です。

苗にまだつぼみや花(一番花)が付いていない場合、定植するまで育苗します。その際、売っているポットは9センチのものが多いので、少し大きなサイズで12~15センチのポットに植え替え育てるようにします。小さなポットのままで育苗を続けると伸びている根の行き場がなく、ポットの中で巻いてしまい、その後定植しても草勢が強くならない場合があります。

植えつけのタイミング
・つぼみが膨らんでいる、または花が咲く直前のタイミングが定植後、根の活着がよいです。
・花が咲き終わったタイミングの場合、老化苗といい、根の活着が悪くなることもあります。

◆植えつけ

定植前、苗ポットごとバケツに入れて、苗にたっぷりと水を吸わせます。

植えつけは、他の野菜と同様に、根鉢を崩さないように植えます。接ぎ木苗の場合は、深く植えすぎしまうと、接合部が土に埋まり、穂木から根が出てしまうので注意します。

植え付け後は水やりを控えます。そうすることで、根は自ら水分を求めて深く伸びます。

次回は、定植後、主に剪定と誘引についてです。

野菜ソムリエプロ(高校生)

横浜在住。県立高校2年(16歳)。8歳で「野菜ソムリエ」、10 歳で「野菜ソムリエプロ」に合格し、当時の最年少記録を大幅に更新。12歳で日本さかな検定(とと検定)1級にも合格。公的機関、民間企業の大使、アンバサダーを多く拝命。公的機関や民間企業と一緒に行う野菜の普及啓発活動の他、和食文化の保護・継承にも取り組む。また官民を繋ぎ、地方共創への取り組みを支援し、関係人口の創出をサポートしている。著書:『野菜がおいしくなるクイズ』(‎飛鳥新社)

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