ウーバーIPOで時価総額は697億ドル(約7兆円)ユニクロの時価総額(6.5兆円)を超えた
【追記】2019年5月13日(月)の株価が37ドルにまで落ち込み、時価総額は622億ドル(6.2兆円※109円だと6.8兆円)ユニクロ6.5兆円との差は縮まった。
KNNポール神田です。
IPO(新規上場)は、1株あたり45ドルで1億8000万株(81億ドル)の調達を計画。しかし、初日は41.57ドルとなった。それでも巨額のIPOであり、米国史上9番目の規模のIPOとなった。IPOのタイミングとしては、米国の中国に対する25%関税などのタイミングと重なった。
■UBERの主要な株主
ソフトバンク、アルファベット、創業者で前CEOトラヴィス・カラニックの3者で 30.1%を占める。
■ソフトバンクG(SBG)は、34億ドル(3,400億円)もの含み益
ソフトバンクは、2018年、UBERの16.3%の株を77億ドル (7,700億円)で購入なので、今日、現在の時価総額697億ドル(6.9兆円)で想定すると、111億ドル(1.1兆円)の持ち分となった。34億ドル(3400億円)もの含み益となる。他にもdidi100億ドルに、GRABに30億ドルも投資し、SBG(ソフトバンクグループ)やビジョンファンドのポートフォリオは世界のシェアカーの90%となる。
■ウーバー創業者『トラィス・カラニック』の壮絶しくじり先生
IPOの鐘を鳴らすのに、創業者のトラヴィス・カラニックの姿はなかった…なんといっても、波乱万丈のトラヴィス・カラニックの壮絶人生だった…。
□10代で調理用のナイフを売り歩き、18歳で初めて起業
□最初のビジネスはニューウェイ・アカデミー(New Way Academy)と名付けた、SAT(アメリカの大学に入学する前に受けるテスト)の準備講座
□コンピューター・エンジニアリングを学ぶためUCLAに入学したが、1998年に退学。
□ネットワーク検索エンジン「Scour」創業、
□複数のエンタメ企業から訴えられ、総額2500億ドルにも及ぶ法的責任で倒産
□ネットワークソフトウエア開発企業Red Swooshで再起を図るが、従業員の所得税分を企業の再投資に回し、法の境界線を越えてしまう。
□2007年には、Red Swoosh社をアカマイ社(Akamai)に2300万ドルで売却し、カラニック氏は億の金を手にする。
□2008年、ボタン1つで黒塗りの配車サービスのコストを下げる、新たな方法を考え出していく。
□ギャレット・キャンプ(Garrett Camp)氏とオスカー・サラザー(Oscar Salazar)氏、そしてコンラッド・ウェラン(Conrad Whelan)氏の3人が、ウーバーの原形であるUberCabを築いた。
□UberCabは、通常のタクシー料金の1.5倍の金額がかかるが、サンフランシスコ市内であればボタン1つ、もしくはテキストメッセージで、車を呼ぶことができるというもの
□UberCabは2010年6月、サンフランシスコで始まった
□2010年夏、ウーバーは投資家からの資金調達に成功した。ファースト・ラウンド・キャピタルやカラニック氏の友人であるクリス・サッカ(Chris Sacca)氏、ナップスターの共同創業者ショーン・ファニング(Shawn Fanning)氏が125万ドルを出資
□ウーバーのVC投資による調達額は、115億6000万ドル
□2011年5月にはウーバー最大のマーケットであるニューヨークでサービスを開始
□フォーブスの世界長者番付に初めてランクインした。カラニック氏とキャンプ氏の資産はそれぞれ63億ドル、グレイブス氏は15億8000万ドル
□10年間自分への給料はゼロ!
□会社にエンジニアが不在 手伝ってもらえるのは火曜日と木曜日の午後10時以降のみ。
□経費削減の為にタイへ移住
その後は、幾多ものスキャンダルでCEO職を辞任に追い込まれた…。
しかし、このZIP CAR のプレゼンは今だにUBERの創業時のアイデアを物語る…。
■それでも、ライバルのLyftらの時価総額を大きく引き離している
iOSの標準アプリの『株価』は、株価の下をクリックするだけで、現在の時価総額が表示できるのでとても便利だ。
UBERが697億ドル(6.9兆円)
Twitterが294億ドル(2.9兆円)
Spotifyが249億ドル(2.4兆円)
Pinterestが153億ドル(1.5兆円)
Lyftが146億ドル(1.4兆円) ※便宜上1ドル 100円換算
だということがわかる。
株単価×発行株数の『時価総額』だが、企業の価値という意味では、日本の名だたる企業と肩を並べていると考えられる。トップ勢のGAFAの時価総額ランキングだけにとどまらず、10兆円未満の時価総額でも日本企業はますます、新興の『ユニコーン』ベンチャーに抜き去られようとしている。
そう、ユニクロのファーストリテイリング(6.5兆円)でさえ、すでにUBER(6.9兆円)に抜き去られているからだ。Spotify(2.4兆円)でさえ、企業価値はパナソニック(2兆円)よりも高いのだ。ヤフージャパン(1.6兆円)でさえも、Spotify(2.4兆円)とPinterest(1.5兆円)の間というポジションだ。
また、楽天(1.5兆円)の時価総額は、出資先のPinterest(1.5兆円) とLyft(1.4兆円)に挟まれるという規模である。株価においては、SNSやシェアリングの方が、オールドエコノミーよりも、大いに評価されているようだ。
ソフトバンク(通信)6.8兆円
ソニー 6.7兆円
ユニクロ 6.5兆円
KDDI 6.1兆円
ホンダ 4.9兆円
日本郵政 4.9兆円
ニッサン 3.3兆円
パナソニック 2兆円
ヤフー1.6兆円
楽天 1.5兆円
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