シャビ・アロンソと名将の予感。レヴァークーゼンの3バックと若いタレントの躍動。
名将の予感を、漂わせている。
ヨーロッパリーグ準決勝で、レヴァークーゼンとローマが対戦する。今季、欧州の舞台で躍進しているのがレヴァークーゼンだ。
■シャビ・アロンソの就任
シャビ・アロンソ監督がレヴァークーゼンの指揮官に就任したのは2022年10月だ。それは周囲を驚かせる決断だった。
シャビ・アロンソ監督就任前、レヴァークーゼンはブンデスリーガで17位につけていた。現在、そこから6位まで順位を上げ、ヨーロッパリーグではベスト4進出を決めている。
レヴァークーゼンが、欧州の舞台でここまで勝ち上がったのは、2001−02シーズン以来だ。チャンピオンズリーグで準優勝したシーズンである。決勝で、ジネディーヌ・ジダンにボレーシュートを沈められ、スペインの雄に屈したあの年だ。
「私は多くの監督から影響を受けた。現役時代に素晴らしい監督に指導してもらった。そういう幸運に恵まれた。すべての監督が、印を残していった。私のスタイルというのは、選手たちによって、決定されるもの。彼らに合わせるというのが私のやり方だ」
「私の監督としてのキャリアは浅い。そのなかで、レヴァークーゼンに来るというのは、大きな挑戦だった。まだやらければいけないことがたくさんあった。状況を巻き返すことができたが、クラブの将来を見据えて、プロジェクトを進めていく必要がある」
これはシャビ・アロンソ監督の言葉である。
■若い才能の爆発
シャビ・アロンソ監督が就任して、レヴァークーゼンは変わった。
まず注目すべきは攻撃のところだ。ブンデスリーガで、31試合54得点。50ゴール以上をマークしている。
ゴールを量産しているのには、理由がある。フロリアン・ヴィルツ、ムサ・ディアビ、ジェレミー・フリンポンといった若き才能が、爆発している。
シャビ・アロンソ監督はヤング・タレントに賭けている。それは明らかだ。事実、レヴァークーゼンの選手の平均年齢は、24.5歳と非常に低い。
そして、シャビ・アロンソ監督は若きタレントが快適にプレーできるように、チームに梃入れを行っている。
大きな変化となったのはシステムチェンジだろう。
ジェラルド・セアオネ前監督は【4−4−2】を基本布陣としていた。【4−2−3−1】【4−4−1−1】を使うこともあったが、4バックを軸にしていた。
一方、シャビ・アロンソ監督は3バックを採用している。
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