台場にあるホテルの2つのレストランがすごい! 好きなだけ食べられる鉄板焼や黒海老チリとは?
2つのレストランをリニューアル
新型コロナウイルスが猛威をふるう中、観光業は大きな打撃を受けました。中でもホテルは宿泊客の減少や宴会の激減、レストランの売上低迷と、経営が大きく低迷。
このような状況にありながらも、さらなる価値向上のためにと、レストランをリニューアルしたホテルもあります。
グランドニッコー東京 台場は、2020年3月1日に「鉄板焼 銀杏」を、3月6日に「中国料理 桃李」をリニューアルオープンしました。どういったレストランなのか、詳しく紹介していきましょう。
※値段は全て税・サ込
鉄板焼 銀杏
「鉄板焼 銀杏」は関東圏では、まだ希少な熊本県産のくまもと黒毛和牛プレミアム和王を全てのコースに使用しています。「和王」を堪能しながら、30階地上100メートルの高層階で台場から東京の景色を一望できるのが人気の理由です。
そんな「鉄板焼 銀杏」が2022年1月14日から提供を始めたのが、金曜日の平日ランチ限定で行われている「オーダーブッフェ」(12,000円)。2021年10月から11月に隔週金曜日のランチタイム限定で提供されていましたが、好評につき定常的に提供することになりました。
1部目は11時30分または12時から、2部目は13時または13時30分からと、2部制がとられています。60分の鉄板焼オーダーブッフェの後には、同フロアにある「The Grill on 30th」に転卓して、30分のデザートブッフェを楽しむことができるのもウリです。
鉄板焼1人1回限定料理
・前菜3種盛り
・本日のスペシャル食材
・くまもと黒毛和牛プレミアム「和王」(サーロイン または フィレ)
鉄板焼オーダーブッフェ
・魚介類(帆立貝・オマールテール・本日の白身魚)
・季節野菜の鉄板焼き
・本日の「和王」~カイノミ・内もも・ザブトン・カブリ・ハンバーグ~
・ご飯 または ガーリックライス
鉄板焼のドリンク
・ノンアルコールスパークリング1杯
・ソフトドリンクのフリーフロー
デザートブッフェ
・デザート
・コーヒー、紅茶
最初に前菜3種盛りが提供され、「本日のスペシャル食材」の料理、さらには「和王」のサーロインもしくはフィレが続きます。合わせてオーダーブッフェの魚介類、野菜、本日の「和王」が一通り供されてから、ゲストの要望によって好きなものをチョイスするという流れです。
乾杯にノンアルコールのスパークリングワインがつき、その後はソフトドリンクがフリーフローになっているのも嬉しいところ。
鉄板焼を食べ終えると店舗を移動して、そこからデザートはブッフェ形式で自由に楽しめ、紅茶とコーヒーはオーダーすると持ってきてもらえます。
前菜3種盛り
最初に登場したのは3種の冷菜盛り合わせ。この日は左から順番に、和牛の煮こごり、伊勢海老の醤油麹マリネ、氷見産寒ブリの昆布〆です。少し甘めのノンアルコールスパークリングワインとも抜群。
本日のスペシャル食材
フォアグラのソテーなど日によって異なります。この日は耐熱クッキングラップ「カルタファタ」を用いたカサゴとトラフグの白子のブイヤベースでした。鉄板の上で煮込み料理が見事に紡ぎ上げられ、スープは魚介の旨味がギュッと凝縮され、カサゴはやわらかく、白子はなめらかな仕上がりに。
くまもと黒毛和牛プレミアム「和王」
当日の「和王」は肉質等級A5で脂のサシがしっかりとした牛フィレ肉でした。肥育期間は通常よりも7ヶ月程度長く、和牛香も豊かです。肉汁がジューシーで適度な弾力があって旨味も十分。
コンディメントは5種類あり、おろしポン酢、ワサビ、チュミチュリ、醤油麹、沖縄県の塩、大分県の甘口さしみ醤油とバラエティに富んでいます。肉や野菜によって使い分けるとよりおいしく食べられるでしょう。
魚介類
魚介類はオマール海老、ホタテ、本日の白身魚のヒラメ。一番人気のホタテは肉厚で弾力があり、甘味もたっぷり。生のまま食べられるほど新鮮で、醤油や塩との相性もよいです。次に人気のオマール海老はプリプリの食感で旨味と滋味にあふれており、トマトとタマネギのさっぱりとしたソースとの相性が抜群。
季節野菜の鉄板焼き
熊本県の生でも食せる赤ナス、千葉県のメハスというレンコンのやわらかい芽の部分、大分県の紅はるかと、普段はなかなか食べられない野菜が賞味できます。
本日の「和王」~カイノミ・内もも・ザブトン・カブリ・ハンバーグ~
くまもと黒毛和牛プレミアム「和王」の様々な希少部位を堪能できます。普通鉄板焼では、牛のサーロインとフィレしか楽しめません。鉄板焼のつくり手であれば、他の部位でも見事に調理できるので、非常に嬉しい試みです。
当日用意されていたのは、背肉にあるリブロースのカブリを用いたカルパッチョ、肩ロースの中で最も霜降りの多いザブトン、フィレとバラ肉の間にあるカイノミ、塩麹でマリネしてから低温調理した内モモ肉、端材を用いたハンバーグのシャスールソース。それぞれが食味も食感も異なるので楽しいです。
ご飯 または ガーリックライス
鉄板焼で定番のガーリックライスは、卵入り。醤油の香ばしさと卵のまろやかさのハーモニーが心地よいです。ガーリックの風味は軽めなので、ランチにいただいてもそこまで気になりません。
デザートブッフェ
デザートブッフェは季節によって内容が新しくなり、今回のデザートは17種類もあります。特に注目したいのが、あまおうやさちのかなど6種類のイチゴの食べ比べです。フレッシュなイチゴを何種類も一度に食べられるのは、非常に貴重な体験。
他にも、生地がサクサクなイチゴパイ、見た目も可愛らしいいちごロールなど、ストロベリースイーツ尽くしです。
オーダーブッフェが生まれた背景
これだけ充実した鉄板焼のオーダーブッフェは、どのようにして生まれたのでしょうか。
料理長を務める平塚章典氏は振り返ります。
「オーダーブッフェは以前から温めていた企画で、東京五輪の後に開催したいと思い、様々な部位を取っておいていました。新型コロナウイルスの影響があって開催が延期していましたが、2021年10月8日から期間限定で開催してみると非常に好評。年明けから定常的に開催する運びになりました」
当初社内で企画を検討した際に、デザートブッフェがあると多すぎるのではないかという意見もあったといいます。しかし、最後のデザートも存分に味わってもらい、十分に満足して帰っていただきたいということから、このような大充実のデザートになりました。
「ブッフェスタイルですが、素材にはとても自信をもっています。帆立貝や白身魚は冷凍ものを使っていません。メインとなる牛肉は全て、ブランドの黒毛和牛である『和王』を用いています。通常と同じクオリティとポーションでご提供しているのがこだわりです」
焼き手の川上健朗氏は、オーダーブッフェの流れについて説明します。
「大体25分で一通りの提供が終わります。その後にお好きなものを、2回から3回かけてご注文いただく感じですね。オマール海老、ホタテ、カイノミが人気となっています」
平塚氏とオーダーブッフェをつくり上げてきた支配人 シェフソムリエの似内利徳氏は次のようにいいます。
「1部と2部は同じくらいの客入りです。一度ご体験いただけるとわかっていただけるので、リピーターのお客様が多いですね。ランチのオーダーブッフェをきっかけにして、ディナーにも来ていただけたら嬉しいです」
中国料理 桃李
「中国料理 桃李」はモダンとトラディショナルの対比で伝統中国料理の追求と進化を味わえるチャイニーズレストラン。インテリアのデザインも、モダンとトラディショナルが組み合わさっています。
中国調理料理長を務めるのは沖山邦久氏。「中国料理 桃李」の前身である「広東料理 楼蘭」系列の「銀座楼蘭」で料理長を務めてきた実力派の料理人です。マネージャーの千代満氏は「銀座楼蘭」で長くサービスに従事し、沖山氏とは旧知の仲。
新しくなった「中国料理 桃李」における、こだわりのメニューを紹介していきましょう。
特製盛り合わせ前菜 1,600円
広東料理では、最初に前菜の盛り合わせが提供されることが一般的です。手前から時計回りの順番に、香り高い甘海老のキンモクセイ風味、滋味のあるトリガイの湯引き、しっかりとした食味のマダイの醤油煮、味わい深いホタテの燻製とイクラ、酸味が心地よいハクサイとキュウリの甘酢漬け。焼物は3種類あり、風味豊かな腸詰、濃厚なチャーシュー、カリカリとした皮付きの豚バラ肉です。真ん中にはさっぱりとしたクラゲの冷菜。
甘海老にキンモクセイの風味付けをしているのは新しいアイデアで、焼物は丁寧かつ実直な火入れで安定したおいしさが感じられます。
点心盛り合わせ
定番の春巻と、モダンな進化系2品の点心。左から順番に、ちょっぴりスパイシーなトマトとチーズの蒸し餃子、パリパリとしてジューシーな春巻、メリハリのある鴨とオレンジの蒸し餃子。
新旧の点心が楽しめる素晴らしい盛り合わせです。これは飾り切りも得意とする、点心師の阿部寛之氏がいるからこその一皿です。
特上ふかひれの姿煮 8,000円
沖山氏によるスペシャリテのひとつ。肉厚で繊細なヨシキリザメの尾ビレです。脂を丁寧に取り除いてからパイタン(白湯)で臭みを抜き、シャンタン(上湯)で仕上げてから蒸してあるので、中までしっかりと味が入っています。
シャンタンは豚肉、丸鶏、鶏の足、金華ハムなどを煮込み、徹底して灰汁をとっているので、非常に澄み切った味わいに。片栗粉のとろみが最初はありますが、食べていくうちになめらかになっていきます。
海老料理の盛り合わせ
海老の扱いに長けた沖山氏による海老料理3品の盛り合わせ。海老のマヨネーズソースかけ(3,500円)、海老のトースト揚げ(4個 2,800円)、黒海老チリ(3,500円)の豪華な共演です。※いずれも単品の値段
「海老のトースト揚げ」はテクスチャを楽しめる料理で、軽く塩を振ってから食べるのがよいでしょう。「海老のマヨネーズソースかけ」は濃厚でカクテルグラスが美しいです。「黒海老チリ」は揚げた海老を濃厚なイカスミ風味のチリソースでいただきます。適度にピリッとしていますが、味わいは極めてマイルド。
銘柄豚を使った黒酢のスペアリブ 温野菜添え
アラカルトに加えて、ディナーコースでも提供されている自慢のシグネチャーディッシュです。
スペアリブは紅麹をすりこんでから高温で焼き、黒酢で1時間強火で煮込みました。揚げてあるので表面がカリっとしていますが、黒酢によって中は非常にやわらかくなっています。氷砂糖、黒酢、蜂蜜を用いて煮詰めたタレで、胡麻油や葱油はあえて用いず、豚肉の味わいを大切にしています。
つゆそば
自慢のスープにオリジナルの麺。国産小麦と外国産の小麦を混ぜ合わせたオリジナル製麺で、ちょうどいいコシに仕上がりに。
マンゴープリン 1,200円
マンゴーはその時々で最良の産地から仕入れています。イチゴやザクロで色と味わいの変化。底のマンゴープリンは果実味があって濃厚です。
「中国料理 桃李」のこだわり
「中国料理 桃李」では伝統的な広東料理からモダンチャイニーズまで提供されており、様々な中国料理を堪能できますが、季節ごとの料理にも力を入れています。2ヶ月に1度の割合で、沖山氏による渾身の一皿が提供されるようになりました。
沖山氏は次のように説明します。
「洋皿を用いたりするなどして、王道でありながらも、モダンな料理にもチャレンジしています。季節の料理では今だけの新しい料理をご提供していくので、楽しみにしていただけると嬉しいです」
リノベーションを機にしてインテリアやテーブルウェアも新しくなりました。沖山氏はニッコー・ホテルズ・インターナショナルの他ホテルにもある「中国料理 桃李」ブランドの料理長就任にあたり、大阪や福岡の店舗にも訪れたといいます。
「2周年記念を迎える2022年3月からは、ランチとディナーにプリフィクスコースをご提供しようと考えています。何品の中からご自由に選べる楽しみがあるので、是非とも訪れていただきたいですね」
マネージャーの千代氏は、料理だけではなく、酒も充実しているといいます。
「『桃李オリジナル紹興酒 陳年12年』や『古越龍山 陳年10年 甕入り』といった紹興酒を取り揃えています。シャンパーニュ『テタンジェ ブリュット レゼルヴ』などワインも用意していますので、料理に合わせていただければ」
ますます魅力的になったグランドニッコー東京 台場の食
グランドニッコー東京 台場は2016年7月1日にリブランドしてオープンしましたが、思い返してみればホテルブランドが2度も変わりました。今回レストランをリブランドしたことによって、ホテルの魅力もますます高まっています。
鉄板焼と黒毛和牛は日本が誇る食文化ですが、ハードルの高さだけがネック。しかし、オーダーブッフェを定期的に開催することで、気軽に訪れてもらえるようになりました。
中国料理は日本人が最もよく知る外国料理であり、どこに焦点を当てるのか難しいところ。しかし、クラシックな広東料理からモダンなチャイニーズキュジーヌまで幅広く提供し、様々なニーズに応えられるようになったので利用しやすくなりました。
グランドニッコー東京 台場に是非とも足を運び、新しくなった「鉄板焼 銀杏」や「中国料理 桃李」で素晴らしい食体験をしてください。