【秋からスポーツを始めるために】医師の言葉より効果的なこと
秋はスポーツの秋や食欲の秋と言われていますが、そんな生活習慣を点検する健康診断を受ける方が多いのもこの季節です。そしてその健診で多く指摘されるが、生活習慣病の予備軍と言われるメタボリック症候群で、40歳以上では予備軍も含めると男性では2人に1人、女性では5人に1人とされています。そしてこの健康診断がきっかけで、スポーツ・運動を始められる方は多くいます。
スポーツ庁の調査より
今年5月に公開されたスポーツ庁の「令和4年度のスポーツの実施状況等に関する世論調査」をみると、やはり運動のきっかけは健康のためが一番多いようです。ですが我々医師が、生活習慣に問題のある方に対して運動の励行しても、なかなか上手くいきません。周囲の医師に聞いてみても、我々の言葉がきっかけで運動やスポーツを始めたという方は、多く見積もっても5%くらいという印象を持っています。
その原因は、海外の文献にも書いていることですが、医師は減量の原因をみつけて具体的にアドバイスすることに習熟していないこと。また、患者側も減量について医療従事者に介入を求めていないことが原因とも言われています。
医師の奨めより効果的なのは?
同じ世論調査で、運動を始めるきっかけとして最も多かったのは「友人・知人・同僚に誘われた」で16.9%、次は「家族に誘われた」で14.4%でした。併せて考えると、運動・スポーツをすでに行っている人に誘ってもらったというのが31.3%で、「医師に奨められた」の7.0%の4.5倍近く効果的であったという事が分かります。
周囲にメタボな方はいませんか? きっかけがなく、運動を始められない方はいませんか?我々医師の言葉は、運動を始めるところまで突き動かすことは、なかなかできません。運動されている方、是非誘ってあげて下さい。あなたの健康を分け与えてあげて下さい。