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腎機能を維持するために介護食でできること。その1.腎臓のはたらきを知る

めぐねこ介護頑張る栄養士/ライター

今回は食事から少しから離れて「腎臓」のお話を簡単にさせて頂きます。それは食事を考えるうえで「腎臓病食」と「介護食」を同時に考えることがとても難しいからです。私も仕事で「腎臓病で介護食を作る」という方と接したことがありますが、食事を作る方が疲れてしまい、共倒れしてしまうのでは…と心配になりました。

介護支援を受けている方の中には、たくさんの薬を飲んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。薬を飲むことで症状が安定する、病気の進行が遅くなるというメリットがある反面、症状が複数あると飲む薬の量も次第に増えていきますよね。薬を飲むのが大変ということもありますが、薬には副作用が必ずあります。その副作用を食事で少しでも緩和できたら…持病の他に新たな病気が発症することも予防できるかもしれないと思い、大切なことなので書かせて頂きました。

我が家の介護メンズも薬の量がとても多く、3か月に1度は通院で採血し病状の現状の把握とその他の病気の有無やリスクを確認しています。その時に必ず医師と確認しているのは罹患(りかん:かかっている病気)している病気の数値の他に「腎機能」「血糖値」「感染症」の目安となる血液の数値です。特に薬の量が多いので「腎機能」の確認は毎回厳しいくらいです。厳しい理由は「腎機能は一度機能を失うと元の状態に戻らない」からです。治療薬がなく悪化すると人工透析や腎移植も検討しなくてはいけなくなるからです。その状態になる前に防ぎたいのが医師や家族の本音です。介護食に腎臓病の食事が加わると介護食以上に大変労力を使います。そんなことになる前に、「腎臓」の主な働きを下記に簡単に書きました。

1.腎臓は老廃物を体から排出する:腎臓は血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出してくれます。また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きもしています。腎臓の働きが悪くなると尿が出なくなり、老廃物などが体に蓄積し尿毒症になるおそれがあります。

2.血圧を調整する:腎臓は塩分と水分の排出量をコントロールして血圧を調整しています。

3.血液をつくる司令官:腎臓から出るホルモンの刺激を受けて、骨髄の中で血液(赤血球)がつくられます。働きが悪くなるとこのホルモンが不足し、貧血になることがあります。

4.イオンバランスを調整する:腎臓は、体に必要なミネラルを取り込む役割も担っています。腎臓の働きが悪くなるとむくみや不調が現れることがあります。特にカリウムとリンについては注意が必要です。

腎臓の機能が低下すると、摂り過ぎたカリウムが体外へ排泄されず、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。しびれや脱力、吐き気などの症状を引き起こし、不整脈や心臓への悪影響を及ぼすことがあります。

食事で摂りすぎたリンは腎臓でろ過され、尿中に排泄されますが、腎機能が低下するとこの機能も低下し、血液中にリンが蓄積します。

腎臓の健康を保つためには、減塩、たんぱく質、カリウム、リンの制限、適切なエネルギーの確保が必要になってきます。

簡単に書いても、これだけ重要な役割があり、もし腎臓病になってしまうと食事が介護食以上に準備をすることが大変になってしまいます。そうなる前に普段の介護食でできる「腎臓の機能の維持」について「その2」に書かせて頂きたいと思います。

介護頑張る栄養士/ライター

栄養士。家族の介護をきっかけにスーパーやコンビニで手軽に買える食品で介護食を作っています。むずかしいと思われる介護食を美味しく、簡単に、お金をかけずにをモットーに作っています。また自分の経験をもとにライター活動もしています。

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