最も恐れられた打者!? 昨年の敬遠四球がジャッジや大谷、トラウトを上回ったのは…
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昨年、敬遠四球が10度以上の選手は、ア・リーグに4人、ナ・リーグには3人いた。なかでも、最も多く歩かされたのは、20度のホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)だ。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の19度を上回る。その差はわずか1度だが、こういう見方もできる。ラミレスのホームランはジャッジの半数に満たず、出塁率もジャッジより70ポイント低かったにもかかわらず、敬遠四球はほぼ同数だ。
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ラミレスの敬遠四球の多さは、たまたま、歩かせたほうが有利だと相手が考える場面で打席に立つことが多かったからかもしれない。左打者の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に対しては、歩かせるのでなく、左投手に勝負させることもできるが、ラミレスはスイッチ・ヒッターなので、左対左にはならない。ちなみに、昨年の大谷は、対右が出塁率.370とOPS.921、対左は出塁率.329とOPS.787。ホームラン1本当たりの打数も、18.1と22.8だった。
また、ラミレスは、塁上に走者がいる打席でよく打った。ただ、敬遠四球が多かった最大の理由は、すぐ後ろの打者にあるのではないだろうか。昨年、ラミレスは、いずれも3番打者として157試合に出場した。ガーディアンズの選手が4番打者として記録したスタッツを合算すると、出塁率は.281、OPSは.693となる。それぞれの順位は、両リーグ・ワースト2位とワースト8位だ。
今年、ラミレスの敬遠四球は、大幅に減少する可能性もある。ガーディアンズは、FA市場に出ていたジョシュ・ベルと2年3300万ドルの契約を交わした。ベルの打順は、ラミレスのすぐ後ろ、4番が想定される。
こちらもスイッチ・ヒッターのベルは、選球眼とパワーを兼ね備える。これまで、短縮シーズンの2020年以外はいずれも四球率10.5%以上を記録していて、過去5シーズンのうち、出塁率.345を下回ったのは2020年しかない。昨年のホームランは17本ながら、2019年は37本塁打。2017年と2021年の本数も、25本を超えている。
なお、過去2年の敬遠四球は、ラミレスの計30度を上回り、大谷の計34度が最も多い。このスパンに30度以上は、彼らだけ。ジャッジは7位の21度だ。
大谷の場合、すぐ後ろを打つのが誰になるのかは、まだわからない。昨年は、何番かを問わず、大谷の直後の打順で先発20試合以上が4人。テイラー・ウォードが46試合、ルイス・レンヒーフォが32試合、マイク・トラウトが31試合、アンソニー・レンドーンは24試合だった。今年は、新加入のハンター・レンフローとブランドン・ドゥルーリーも候補となる。いずれにせよ、彼らもしくは彼らの誰かが大谷を「プロテクト」しないと、大谷の敬遠四球は増えかねない。
エンジェルスの打線については、こちらで書いた。