熊本の行列店からお取り寄せ「金椛万十」さんの粒餡と栗餡に藻塩が効いたあまじょっぱいお万十をご自宅で
海岸線沿いのお洒落なリノベーションカフェ。どこを切り取っても絵になる空間美。温かいのにどこか無機質な部分にスポットをあてたくなるかつての倉庫の名残…そしておいしい餡子。え、あんこ?
昨年、2022年3月熊本県宇城市不知火町にオープンしたカフェ「金椛万十」さん。ひとつひとつの材料に拘りを持ち、その持ち味を活かすような美味しいソフトクリームやとある名物を求めて、市街地から離れたバイパス沿いという立地ながらも毎日行列の絶えない人気店です。熊本県内のみならず、その風光明媚な景観とお菓子のコンビネーションが織り成す甘美とフォトジェニック要素を求めてきたという声も多数。SNSでも話題のお店です。
実はオープン前から、非常にあんこに力を注いでいるということをお伺いし、いつか都内在住の私でも口にすることができないかと思っておりましたら、この程冷凍状態でのお取り寄せが可能とのことで早速。今回は店名を号した「金椛万十」をご紹介。
まず目に飛び込んでくるお花のような模様は、すみれの花だとか。
冷凍状態なので、リーフレットの案内通りに電子レンジで加熱後オーブントースターへ。するとびっくり!真空状態から取り出した時にくらべ、遥かにボリュームが増してぱんぱんに!表面の薄い部分はカリッとした軽快な歯ごたえののちにもちもちとした歯応えに。甘味を抑えた生地は、香ばしさが勝ります。
そして何より、はちきれんばかりに詰まった粒あんの滑らかさと、マイルドな塩気がすごく印象的!対馬産の藻塩というのがよくわかります。舌に当たった時は優しく、まろやかな旨味のあとに甘味が広がるこの感覚は上質な塩の特徴。こういったおやき(大判焼き)にしては色も淡く、小豆の味が際立つタイプ。
対して栗餡はしっかり甘味のあるお菓子のような感覚!栗餡単体だと。栗の木の香りもお砂糖の味もストレートに届いてちょっと存在感が強すぎかなと思いますが、思い切りかぶりついた瞬間、その威力を発揮。塩気をきかせた皮やあんこのおかげでバランスがとれ、いわゆるあまじょっぱい素朴な味わいに。
高さのある側面の皮部分を噛みしめるたびに藻塩の旨味を体感。その噛みしめるという行為も含めて大人な雰囲気が全体的に漂うのかもしれません。
大判焼きって不思議なもので、生地のカステラ要素が強いとふわふわで子供向け、かつどことなく和風な感じがしますが、金椛万十はその逆できちんと和なのに大人っぽい洗練された雰囲気のお菓子。
藻塩と小豆の組み合わせ、美味しく楽しく勉強させていただきました。
いつか海を眺めながらいただきたいと思います。