ノーショー(無断キャンセル)が続出する状況で、メディアは次に何をするべきか?
ノーショーに関する記事
12月に入って、ノーショー(無断キャンセル)に関する記事が多くなったように感じます。特に注目され、多くの方に読まれている記事には以下のようなものがあります。
どの記事もFacebookやTwitterでも拡散されているので読んだことがある方は多いでしょう。
私は12月に入ってノーショーやドタキャンに関する以下の記事を書きました。
昨年あたりから感じていましたが、この2017年12月の宴会シーズンでは特にノーショーやドタキャンが注目されているように思います。
アメリカで端を発し、日本でも私が書いた<はあちゅう氏のセクハラ証言を受けて、レストランやホテルでパワハラやセクハラはあるのか?>という記事で言及したように、最近になって日本でもパワハラやセクハラの問題が公となりました。
このハラスメントの問題と同じように、ノーショーやドタキャンの問題もようやく認識され始め、多くのメディアが取り上げているのです。
これは非常によいことですが、メディアはそろそろ次の段階に進むべきであると考えています。
現状はどうか
ノーショーやドタキャンに関する状況は現在、認知段階です。
<「SNSによるSOS発信からの感動話」に潜む3つの問題>でも指摘したように、ノーショーやドタキャンによって飲食店が大きな損害を被っていますが、これまではノーショーやドタキャンから奇跡的に回生できた感動話を、メディアは楽観的に垂れ流してきました。
冒頭で述べたような最近の記事では、感動話は影をひそめて、被害にあった飲食店の状況を淡々と伝えているだけで、現実をしっかりと伝えています。
問題の提示
こういった記事が増えてきている中で、次の段階へと進むべきであると考えています。それは、何が問題であるかを提示することです。
多くの人に現状を知ってもらい、酷いことが行われているのだと認識してもらうことは重要ですが、これだけではノーショーやドタキャンの問題が人々の頭の中を通り過ぎてしまいます。
その次には、より多くの人が考える機会を作るべきです。
最も効果的なソリューション
ノーショーやドタキャンに対して用意されている最も効果的なソリューションは、予約台帳で提供されている事前決済や保険制度を使うことです。こういったものを利用していれば、ノーショーやドタキャンが起きた場合でも、ある程度の果実は得られます。
予約がウェブで管理できて手間が省ける上に、ノーショーやドタキャンの対策もできるのでメリットは大きいでしょう。しかし、小さい飲食店では予約台帳やクレジットカードの手数料の支払いですら厳しいので導入が難しいのです。
費用をかけずに対策
では、費用をかけずにできることはあるのでしょうか。
ドタキャンが生じた場合に、アプリなどで通知したり、SNSで周知したりする方法があります。確かに、訪れたいと思う客がすぐに反応し、予約の穴埋めをしているケースを、私もたくさん目撃しています。
もちろん、予約台帳を利用する要もなく、費用はかかりません。
しかし、こういったことができるのは、ごく僅かな人気の飲食店だけなのです。ほとんどの飲食店は、ミシュランガイドで星を獲得しているわけでもなく、食べログで3.5点以上を獲得しているわけでもなく、テレビで紹介されたり、雑誌に掲載されたりしたこともありません。
そういった飲食店に対して、ドタキャンの周知があった数時間後すぐに訪れたいと思うほどのファンはあまりいないので、打つ手がないのです。
事前確認
他にできることと言えば、電話による事前確認くらいでしょうか。確かに、前近代的な電話による事前確認も有効な手段ですが、徹底されていません。その理由は、小さな飲食店では電話することすらも手間がかかるからです。
ノーショーやドタキャンで最も大きな被害を受けるのは小さい無名の飲食店ですが、そのような飲食店であるからこそノーショーやドタキャンの対策を行うことが難しいとう矛盾をはらんでいます。
引き続き伝えて考えていく
以上のように述べてきましたが、この宴会シーズンだけではなく、メディアは引き続きノーショーやドタキャンの被害を受けた飲食店をありのまま取り上げていく必要があると感じます。
ノーショーやドタキャンの問題は簡単に解決できものではありません。もしも、ある特定の予約台帳やメディアが解決できると考えているのであれば、それは単なる過信ではないでしょうか。
次の段階としては、どういったことが問題であるかを挙げていき、より多くの人々による、より素晴らしい叡智を巻き込んでいく必要があります。