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新型コロナの「経済対策」はもっと盛れる

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策はどうなるか。(写真:ロイター/アフロ)

安倍首相は、3月28日に記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策の事業規模をリーマン・ショック後の対策を上回る金額とする考えを表明した。

ここでいうリーマン・ショック後の対策とは、2009年4月に決めた「経済危機対策」のことである。「経済危機対策」の事業規模は56.8兆円、うち財政支出は15.4兆円だった。

したがって、事業規模を56.8兆円を上回る金額とする緊急経済対策を出したいというのである。それを反映した補正予算案は、今後10日程度で取りまとめ、国会に提出する方針である。

これとしばしば比較されるのが、米国の経済対策である。トランプ大統領は、3月27日に、連邦議会が可決した新型コロナウイルスに対処する大型経済対策法案に署名して、同法は同日成立した。この経済対策の規模は、約2兆ドル(約220兆円)。米国のGDP(国内総生産)は2019年で約21兆ドルだから、経済対策の規模は対GDP比で約10%である。

日本のGDPは2019年で約550兆円。経済対策をリーマンショックを上回る規模にするなら、対GDP比は約10%となり、米国に匹敵する規模となるといえる。

規模を比較する際、その中身も見なければならない。比較しようのないものを比べても意味がない。

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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