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オーバーツーリズムにどう対処するべきか #専門家のまとめ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
京都市祇園地区の一部の私道では侵入者に罰金を課すところも出てきている(写真:イメージマート)

 コロナ禍が明け、現在過去最大の外国人旅行者が日本を訪れています。そこで起きているのがオーバーツーリズムの問題です。様々な対策を取っている一方で、改善のきざしも出てきている例もあります。こうした動きについてまとめました。

ココがポイント

▼規制や課金、マナー改善などの3つの対策がオーバーツーリズム対策の基本に

「このままでは日本は“パンク”する」後手に回る対策…「オーバーツーリズム」をどうすれば解決できるのか(デイリー新潮)

海外でもオーバーツーリズムは問題に。訪問者数制限、二重価格制、行動促す特典がカギに

訪問者数制限、二重価格制、行動促す特典 オーバーツーリズム対策の現在地(Forbes JAPAN)

▼「富士山ローソン」の黒幕は、観光客のマナー改善で幕の設置解除へ

「富士山ローソン」隠す幕、外したままに 観光客のマナー回復で山梨・富士河口湖町が決定(産経ニュース)

エキスパートの補足・見解

 オーバーツーリズム問題が全国各地で浮上している昨今、旅行者のマナーの違反など、負の側面ばかりがこれまで取り上げられがちでした。しかし、適切な対処をとることによって、改善傾向に向かうことも事実です。言葉が違う国の人達に対しおもてなし側の問題を伝えることは簡単なことではないと思いますが、「富士山ローソン」の例はいい事例になるのではないでしょうか。

 また、メディアは何かとネガティブなことばかりニュースにしがちですが、こうした改善傾向の事例をきちんと報じている姿勢も評価できます。

 おもてなしを左右する多くは、それまでの経験の蓄積からなります。現在では、外国人旅行者の対応に頭を悩ませている段階かもしれませんが、今後各地で改善事例が重なったり、今後よりインフラ面が改善されたりすれば、今後も増大する旅行者との共存は可能であると期待します。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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