災害時に重要なペットとの同行避難!知っておきたいワン・ニャン防災
飼い主にとってペットは家族同然ですから、災害時にペットを残して避難することは考えられませんよね。
しかし、東日本大震災時には多くのペットが一緒に避難できず、大変な問題となりました。
その後、同行避難と呼ばれる「ペットと一緒に避難所まで移動する方法」が、推奨されるようになっています。
今回は、大切な家族の一員であるペットとの同行避難についてお伝えします。
カン違いされやすい「ペットとの同行避難」とは?避難所では一緒に過ごせない
上記は環境省が公開している、ペットとの同行避難を推奨するパンフレットです。
同行避難とはペットと一緒に避難所に避難することで「ペットを自宅に置き去りにしないでね!」との意味です。
ここで多くの飼い主の方がカン違いしてしまうのが「ペットと一緒に避難生活を送れる!!」と、思ってしまう点です・・
一緒に避難することは推奨されていますが、避難所で一緒に生活できる訳ではありません。
避難所ではペットとは別々に過ごすことになりますので、しっかり把握しておきましょう。
【ポイント】
・同行避難はペットと一緒に避難所に逃げること
・ペットと一緒に避難生活は送れない
・避難所ではペットと別々に生活することとなる
一緒に過ごせない理由は、誰もが動物を受け入れられないから
『せっかくペットと一緒に避難したのだから、避難所の隅っこでもいいから一緒にいたい!』と、思うのが飼い主の気持ちですよね。
しかし、避難所は不特定多数の人が難を逃れて集まる施設です。そのため、ネコ嫌いの方、イヌ嫌いの方、動物アレルギーの方など、必ずしもペットに好感を持っている方ばかりではないのです。
悲しいけれどあくまでも人命優先!
残念なことに災害時にはあくまでも人命が優先されて、ペットの命は人の次になってしまいます。
そのため、避難所ではどうしても強制的にゲージに入れられることもあり、飼い主にとってはとても悲しい状況を、目の当たりにするかも知れません。
ですが、このことはしっかり認識しておくべき現実なのです。
普段から飼い主が行っておくべき6つの行動
いざ災害が起きたときを想定して、普段から飼い主が行っておくべき6つの行動があります。ここでは、それを紹介しましょう。
1:ペットのしつけと健康管理
2:不妊・去勢の処置
3:ペットの身分証明(迷子札やマイクロチップなど)
4:ペット用の食料や飲料水などの備蓄
5:避難所や避難ルートの確認
6:避難訓練への参加や家族単位での避難シミュレーション
これらは基本的に飼い主であれば、普段から行っていることばかりだと思われますが、5、6については実行していない方も多いでしょう。
ペットと同行避難する際には、どのようなルートで避難するか、しっかり把握しておくことが大切ですよ。
国家事業として同伴避難可能な避難所の整備が必要!
同行避難は環境省も推奨していますが、ペットと一緒に避難生活を送れる「同伴避難」できる避難所は、まだまだ少ないのが現状です。
ペットと離れたくないとの気持ちから、倒壊寸前の自宅でペットと過ごす方も多く、せっかく助かった命を落としてしまう「災害関連死」が問題となっています。
ペットビジネスに関する調査によれば、2023年度のペットビジネスの売上は1兆8,000億円を超えるとされています。
それだけ多くの家庭で、ペットを家族として迎え入れている証拠です。
災害関連死を防ぐためにも国家事業として、ペットとの同伴避難が可能な避難所の整備が必要だと感じますね。