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【フランス】ついにマクロン大統領がコロナ陽性 首相もリモートワークに

鈴木春恵パリ在住ジャーナリスト
「フランス2」昼のトップニュース画面。右は感染発表の前日(昨日)大統領府での映像

12月17日午前、エマニュエル・マクロン大統領が新型コロナウイルス陽性というニュースが飛び込んできました。

こちらの報道によると、大統領には感染が疑われる症状があり、PCR検査をして陽性が判明したというもの。これによって今後7日間は隔離となるそうです。夫人のブリジットさんが陽性かどうかはわかりませんが、症状は出ていないものの濃厚接触者であることから、彼女も隔離生活。

さらに、大統領と会議を重ねてきたカステックス首相も濃厚接触者とみなされるので、彼も自己隔離して公務にあたるとのこと。つまり、フランスの2トップがリモートワークとなりました。

ちなみに、12月21日はマクロン大統領の43歳の誕生日。隔離期間中で誕生日を迎えることになります。

イギリスの首相、アメリカの大統領、そしてフランスの大統領。どんな人もウイルスと無縁ではないという事実があらためて示されました。

感染拡大継続中

お隣のドイツでは昨日16日からロックダウンになりましたが、それとは対照的に、フランスでは15日から日中外出制限が解除になりました。

この日から夜間外出制限に切り替わったことなど、「第二波はまだ終わらない」という記事としてご紹介していますが、新規感染者数が下げ止まっていることにも触れました。その傾向は続いていて、いまこの記事を書いている時点(17日昼)で発表されている1日の感染者数は17,615人。むしろ増加傾向にあると言えるかもしれません。

ただし、重篤患者病床の占有率は56.1%と、病院が飽和状態という事態は免れています。

外出制限解除後のパリ

日中の外出制限が解除になった15日、わたしは久しぶりに「プランタン」と「ギャルリ・ラファイエット」、2つのデパートがある界隈に出かけてみました。毎年恒例のクリスマスデコレーションを見るためです。

2013年にもご紹介していますが、いつもなら、国際的なスターを招いて華々しくオープニングが行われるところ、今年はそれはありませんでした。デパートが度重なる休業を強いられた年でしたから、デコレーションそのものもが果たしてどうなるのかと危ぶまれしたが、ふたを開けてみれば、素晴らしい演出で人々の気持ちを明るくしていました。数々のショーウインドーで繰り広げられる操り人形の動きや色彩のパレードは、さながら夢の劇場のようです。

今年の様子はこちらの動画でご覧いただけます。

動画の終盤ですこしご紹介していますが、この日ははからずも、オペラ座正面でプロジェクションマッピングが行われるのに遭遇しました。外出制限解除初日、多くの人を魅了したおよそ15分ほどの映像のスペクタクル。どうやらこれはパリのドイツ大使館が企画したもので、ドイツとフランス、そしてヨーロッパの友好がテーマになっていました。

折しも16日には、欧州委員長がEU加盟国はいずれも同じタイミングで、12月27日からコロナウイルスのワクチンを享受できるようにするという方針を発表しました。それぞれの国の事情は違えど、ヨーロッパとしての結束があらためて確認されたといえるでしょうか。

人が集えばウイルスも動く。とはいえ、人肌がとりわけ恋しいこの時期。ウイズコロナの年のクリスマスが近づいています。

パリ・オペラ座のプロジェクションマッピング。フィナーレではEUのマークが映し出された(筆者撮影)
パリ・オペラ座のプロジェクションマッピング。フィナーレではEUのマークが映し出された(筆者撮影)

パリ在住ジャーナリスト

出版社できもの雑誌の編集にたずさわったのち、1998年渡仏。パリを基点に、フランスをはじめヨーロッパの風土、文化、暮らしをテーマに取材し、雑誌、インターネットメディアのほか、Youtubeチャンネル ( Paris Promenade)でも紹介している。

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