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お行儀が悪い…けれどご飯は食べやすい介護食におすすめ「ねこまんま」

めぐねこ介護頑張る栄養士/ライター

「ねこまんま」ってなに?と思う方もいると思います。

「ねこまんま」とはご飯に鰹節や味噌汁などをかけた料理のことを言います。一般的に関東地方ではご飯の上に鰹節をトッピングした料理を指し、関西地方ではご飯に味噌汁をかけた料理を指すことが多いようです。ただ、ごはんに「汁をかけたごはん」はお行儀が悪いとも言われています。

ですが、介護食では「ねこまんま」は大歓迎の料理です。その理由は

1.ごはんに汁をかけることでごはんが汁でふやけて食べやすくなる

2.具材を選べば、野菜やたんぱく質もごはんと一緒に食べられる

3.片付けがラク!

と、日々介護食で悩む人にはおすすめの料理なんです。冷や汁に代表される郷土料理もあるので「お行儀が悪い」言わず、介護食の料理として自宅での食事に積極的に取り入れてみませんか。

わが家の介護メンズがお気に入りの「ねこまんま」は汁はかけないもの。絹ごし豆腐を箸やスプーンで崩して、生姜のすりおろし、ネギをのせて醤油をひと回しして完成。

ようするに絹ごし豆腐の冷ややっこをそのままごはんにのせただけです。これなら準備をするのも簡単です。火も電子レンジも使わず用意ができます。生姜はチューブのもので十分だし、ネギも切るだけです。切るのも面倒な時は切ってある小ねぎを使えばもっと簡単です。温かいごはんと冷たい豆腐を使用しているので口の中をやけどする心配もありません。飲み込む力が日によって差があるので、その時の体調次第でネギを控えたりしています。豆腐からのたんぱく質も一緒にとれるので、これから暑くなる季節にはおすすめです。

おみそ汁でも大丈夫なのですが、火傷の心配があるので温かい汁物はあまりごはんにかけません。郷土料理に冷や汁もあるのでこれからの季節は、このような冷たい汁をかける方がやけどの心配もなく、体を中から冷やしてくれるのでおすすめです。

食べるマナーももちろん大事ですが、介護食は安全に食べてもらうことが大切です。もし「行儀が悪い!」と言われてしまったら「ごはんにかけて食べる料理も最近はあるんだよ。郷土料理の冷や汁もあるし、今までダメと言われていた食べ方で食べると今までと違う感じがして楽しいよ」とプラスの言葉をつけてみてください。「ねこまんま」という新しい食べ方で、材料を色々試してお好みのものを探してみるのも意外と楽しいですよ。介護食を作る人の負担が減るのでおすすめです。

※「飲み込む力」には個人差があります。少しでも不安がある場合は、かかりつけの医師や歯科医、訪問看護さん、ケアマネージャーさんなど気軽にご相談してくださいね。

介護頑張る栄養士/ライター

栄養士。家族の介護をきっかけにスーパーやコンビニで手軽に買える食品で介護食を作っています。むずかしいと思われる介護食を美味しく、簡単に、お金をかけずにをモットーに作っています。また自分の経験をもとにライター活動もしています。

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