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SBIと三井住友で始める「クレカ修行」 暗号資産で3%還元に注目

山口健太ITジャーナリスト
SBI証券と三井住友カードが3%還元を実施中(筆者撮影)

さまざまな特典を用意するクレジットカードがひしめく中、SBIグループと三井住友カードは暗号資産を絡めた「3%還元」キャンペーンを実施中。これを活用した「クレカ修行」が注目されています。

楽天のポイント「改悪」を背景に、勢いを増しているのがSBIグループと三井住友カードです。クレジットカード決済による投信積立は「0.5%還元」と従来の楽天より低いものの、ゴールドカードでは1%になるなどポイントアップを実施しています。

とはいえ投信積立のためだけにゴールドカードを持つかどうかは悩みどころですが、1年間に100万円以上利用すると翌年以降の年会費が「永年無料」になるナンバーレス(NL)のカードが登場し、注目度が高まりました。

この「ゴールドNL」は、通常の「ゴールド」に比べて付帯する旅行保険に違いがある上に、後述する「利用付帯」化によって魅力が下がった感はあるものの、1枚あれば便利なものです。羽田空港などのカードラウンジでは通常のゴールドと同じように使えました。

さらに1月から、カードの利用額に応じて最大3万円相当のリップル(XRP)交換券がもらえる3%還元のキャンペーンが始まりました。条件としては三井住友カードによる投信積立に加え、暗号資産交換業者のSBI VCトレードで「旧TAOTAO」の口座を持つことなどが挙げられています。

Zホールディングス系列だった「TAOTAO」はSBI VCトレードと合併し、2022年6月末に向けて統合を進めています。1月には暗号資産から利息を得られる「貸コイン」サービスも始まりました。こうした新サービスにより、SBIグループとしては若年層の呼び込みを狙っているようです。

利用者にとっては、ゼロから取り組むには複雑なキャンペーンではありますが、4月30日までの「3%還元」期間中になるべく多く決済することで、年間100万円の条件を効率よく達成できるチャンスとなっています。

1年に100万円も使わないという場合でも、三井住友カードによれば「Amazonギフト券」や「Revolut」、「Kyash」などの利用も対象となっていることから、これらを併用することでハードルは下がりそうです。

旅行保険は「利用付帯」に

三井住友カードの特典には魅力があるものの、カードに付帯する海外・国内旅行傷害保険の適用条件が変わることには注意が必要です。

4月以降、ゴールドNLを含む一部のカードでは「自動付帯」から「利用付帯」になることが発表されています。利用付帯では、カードを持っているだけでは保険の対象にはならず、交通費やツアー代金などをカードで決済する必要があります。

最近、国内のクレジットカードでは同様の変更が相次いでおり、三井住友カードもそれに続いた形になりました。しかし自動付帯を目当てに年間100万円の条件をクリアした人にとっては、残念な変更といえます。

今後もさまざまな特典を用意して囲い込みを図るサービスは出てくると思われますが、提供側の都合で制度が変わることもあり得ることは念頭に置いておいたほうがよいでしょう。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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