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あなたはどちら?ペットボトル入りの水、飲む派? 飲まない派? #水の日

橋本淳司水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表
ドラッグストアに並ぶペットボトル入りの水(著者撮影)

月1回未満とほとんど飲まない人は42.4%

 あなたはペットボトル入りの水を飲んでいるだろうか? 「飲む派」と「飲まない派」はどちらが多いのだろうか?

 ペットボトル入りの水には「おいしい」「いつでもどこでも買える」「持ち運びが便利」「災害時の備蓄用として大切」などのポジティブイメージがある。その一方で、「ゴミが増える」「価格が高い」「海洋プラスチック汚染につながる」などのネガティブなイメージもある。あなたに響くワードはこのなかにあっただろうか?

 8月1日の「水の日」をまえに、ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」(東京圏、中京圏、大阪圏の1500人を対象)が、「市販のペットボトル入りの水を飲む頻度」について調査した。

 それが以下のグラフだ。

ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成
ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成

 この結果を、週5回以上、週4回から月1回、月1回未満に分類すると以下のようになる。

ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成
ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成

 週5回以上ペットボトル入りの水を飲む人が23.6%いる一方で、月1回未満とほとんど飲まない人は42.4%いる。前者は、ペットボトル入りの水を飲むことが習慣になっている人、水道水を飲むことが習慣になっている人とも言えるだろう。

 この調査は3大都市圏の1500人を対象に行われた。都市部でもペットボトル水をほとんど飲まない人が「4割強」いるということだ。

自分の水の習慣は正しいと考える傾向

 さらに「今後、飲む機会は増えそうか」という問いには、全体で7割の人が「変わらない」と答えているのだが、「週5回以上」「月1回未満」の人の意見を比べてみると、おもしろい結果が出た。それが以下のグラフだ。

ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成
ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」より著者が作成

 ペットボトル入りの水を「週5回以上」飲む人(ペットボトル入りの水を飲むことが習慣になっている人)の「今後、(ペットボトル入りの水を)飲む機会は増える」「やや増える」を合わせると44.6%となり、半数近くの人が今後の増加を予想している。一方で「減る」「やや減る」の合計は1.9%とわずかだった。

 逆に、ペットボトル入りの水を飲む機会が「月1回未満」の人(水道水を飲むことが習慣になっている人)の「今後、(ペットボトル入りの水を)飲む機会は増える」「やや増える」を合わせると4.2%、「減る」「やや減る」の合計は13.3%となっている。

 それぞれの予想のポイントには10倍程度の開きがあり、驚かされる。

 ペットボトル入りの水を飲む人、飲まない人はそれぞれに、「自分たちの水の習慣は変わらない」、もしくは「今後、自分と同じような水の習慣をもつ人は増えていく」と考えている。

 同じ「飲み水の習慣」をもつ人同士は集まりやすい傾向があり、ペットボトル入りの水を飲む人たちはそのよさを語り合い、飲まない人たちは水道水のよさを語るなどして、自分たちの「飲み水の習慣」への信頼を強化しているのではないか。冒頭に述べたペットボトル入りの水のイメージも、ペットボトル入りの水を飲む人は「おいしい」「便利」などのポジティブな印象を語り、飲まない人は「ゴミになる」「高い」などネガティブな印象を語ると予想する。

 それは水道水への満足度として表れている。同調査では2013年より継続的に、飲み水としての水道水の満足度を10点満点で評価している。全体の平均は6.57ポイントだが、ペットボトル入りの水を「週5回以上」飲む人の水道水の評価が5.97と平均値を上回り、「月1回未満」の人の評価は6.57ポイントと平均値を下回った。

 では、実際ペットボトル入りの水と、水道水とは何が違うのだろうか? それは以下にまとめた。

 Yahoo!ニュース「知ってますか?ペットボトル水と水道水 ーここが同じ!ここが違う!ー」

 多くの人にとって、どんな水を飲むかは日常の習慣になっている。自分の習慣を疑う機会はほとんどないだろうが、8月1日の「水の日」にあらためて考えてみてはいかがだろう。

水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表

水問題やその解決方法を調査し、情報発信を行う。また、学校、自治体、企業などと連携し、水をテーマにした探究的な学びを行う。社会課題の解決に貢献した書き手として「Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2019」受賞。現在、武蔵野大学客員教授、東京財団政策研究所「未来の水ビジョン」プログラム研究主幹、NPO法人地域水道支援センター理事。著書に『水辺のワンダー〜世界を歩いて未来を考えた』(文研出版)、『水道民営化で水はどうなる』(岩波書店)、『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る〜水ジャーナリストの20年』(文研出版)などがある。

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